ブックタイトル30_1964-1994

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30_1964-1994

【旅は世につれ,世は旅につれ】を目的としたツアーが復活し,現在も商品化されている。一方,国境を相接するカンボジアは,有史以来,ベトナムとの戦争に明け暮れた歴史を持っているが,ベトナム戦争後の中越戦争による戦舌L他方で1967年以降には革命派勢力の「クメールルージュ」の台頭による内戦の発生,さらに政府軍とポル・ポト派による対立が鶴文化して国連軍の介入に至る。これに伴う日本からのPKOの派遣と目まぐるしい動きを見せているのは周知の事実。だが,一進一退を繰り返す現在でも,アジア駄の遺跡であるアンコールワット観光も段階的ではあるが一部で実施され始めた。湾岸戦争を例にとるまでもなく,戦争は旅行産業にとって最大の障害である。そして,最も恐ろしいことは戦火力ゞもたらす遺跡,史跡の損壊である。幾世紀にわたって築かれた人間の歴史の創造物が一瞬にして瓦礫の山と化す怖さがある。過去1年間にわたるサラエボの実情が,それを実証している。中東では,エジプトが過激派のテロにより大きな影響を受けている。だが,皮肉なことに,その膝元のカイロでは,1993年10月,パレスチナ暫定自治協定が発効し,新たな中東和平への努力が続けられている。この局面にしても,長年にわたるパレスチナ解放機構(PLO)とイスラエルの紛争処理という単純な問題ではなく,国連安保理事会を通じて国際政治の舞台での解決が進められているのが現状である。中東観光を考える場合,キリストの聖地イスラエル,モーゼの眠るヨルダン,パルミラの古代遺跡に代表されるシリアは, 日本人旅行者にとっても親しみ深いデスティネーション。そして,この3国はゴラン高原で国境を接している。さらにレバノンが隣接している。このような史跡の宝庫と言われる中束の和平回復が実現すれば,世界の旅行者にとっても福音。そしてまた,中東諸国の観光経済にも大きな貢献をもたらすことが予測される。南アフリカ共和国への渡航が,国交回復により完全自由化,北朝鮮への道も開けてきた。戦争という救いのない破壊行為は,ツーリズムにとって最大の障害であることは事実だが,戦後の荒廃の復興に大きな役割を果たすのは旅行産業である。特に基幹産業のない国家では観光産業への期待度は高い。今後の時点において,世界紛争の解決は,次のデスティネーション開発の新たなステップであるだけに,国際環境の変化を慎重に注視する必要に迫られている。▲アジア最大の遺跡アンコールワットヘの観光がようやく再開された前通りに催行されるのか,現在の中国旅行同様の仕組みで行われるのか,今後に残される課題は多い。この返還問題は中国自身にとっても, 日本の軍政によって統治された台湾をめぐる処遇同様に,「中国香港」という阿片によって英国に掠奪された旧植民地国に対する政治的決断を迫られることになる。デスティネーションの開発は,航空便の運航によって始まるのが通例である。そして,ッアーオペレーターの進出, さらにホテル建設へと展開するのが一般的なパターンでもある。こうした日本からの資本投下は,観光地の雇用促進に貢献する。だが時には,(日本の飛行機に乗り,日本のホテルに泊り, 日本の旅行会社のバスで観光し, 日本に帰って行く)という「観光ブーメラン現象」が,受け手側観光関係者の業域を狭め,現地における「観光摩擦」を生む傾向も出ている。これが原因で暴力事件も起きているが,このような不幸な事態を避け,長期的な発展を遂げるためには,相手国側観光関係者との強調による互恵の姿勢が日本の旅行業界に望まれている。日本は大量の海外旅行者の供給国であり,嫌われざる人的輸出である観光の出超国であることは確かである。だが,その栃:りが強すぎると現地の旅行業者の反発を招く。観光発展途上国に対しては,特にこの面の配慮と,大量送客によって生じるデスティネーション側の環境破壊に十分な対応を必要とされている。観光摩擦解消には互恵主義が必要1990年代は,世界史上に確実に記録される「政体変革の時代」である。ベルリン東西の壁の撤去に始まり,1日ソ連の社会主義体制の崩壊に進むドラスチックなまでの改変劇は,国家間の国境を取り払いボーダーレスの方向に進む。そして,世界の旅行産業にも大きな影響をもたらす。だが,同時に変革に伴って生じる社会不安の増幅ハデスティネーションによっては治安の悪化による犯罪発生の増大と国際テロリズム多発・ハイジャックにつながる怖さを持っている。したがって,21世紀に至る向こう6年間は,国際情勢の変化を注視しながら慎重に訪問先を選択することハ旅行産業に課せられた消費者保護の前提となる。従来よリー歩進んだ旅行者の安全対策の見直しが改めて必要となる。デスティネーションの変革という点では,3年先の1997年7月1日に中国に返還される香港そしてマカオ問題力ヾ主目される。すでに知られているように,1984年12月に北京で行われた「中英共同宣言」には,返還後の対応について,「香港の社会および経済制度は返還後50年間は不変とする」という1条が盛り込まれている。だが,旅行会社にとってみれはそれでは日本からの香港およびマカオツアーが従▲政情不安ばかりでなく,航空会社の倒産でデスティネーションが変更されるケースもある。1976年にはタイのエアサイア航空が倒産,利用客ともども旅行業界は混乱した75l,tr r r& ^fin"(uJl .l'- iii' '\11i1,)',lll | )\l )'rt ),t),;ll/t ti /< t'/ f.ii ''1(Ytfi tlrl t, |t 1r).t') l( {li\Y t'′′`.あ ,確,I爾|他のカウンタ薇ば別翔下れ`C L O SttD、にご用の愛右Qご連機T4` .01瀬て鷺撻嗣ONATED:N OAtOR ANYJ AlR SiAM`