ブックタイトル30_1964-1994

ページ
212/276

このページは 30_1964-1994 の電子ブックに掲載されている212ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

30_1964-1994

を値引くか,現地法人よりも優れた「ランド商品」が提供できなければ同じ土俵で闘えない。時代の推移とともに,状況も変化しているのだ。1960年代の香港夜這い便チャーター全盛時代から,バルクIT運賃が発効した69年時点までのツアーオペレーターは現地の旅行手配に専念すれば営業が成り立った。そして,受託業務の対象も大手から中小規模の旅行会社に及び,特に中堅企業の発注が大きな財源となっていった。だが,その後の中堅企業による業績の停滞は,オペレーターの収益にも賜りをもたらした。さらに,大手の現地進出は新たな競合関係をもたらした。こうした局面に対応するため,アール&シーツアーズのように,オペレーターが航空会社とホテルをセットしたユニット商品を制作し,顧客の取り込みを図る傾向が現れ始めた。また一方では, ミキ・ツーリストに見られるように,ユーロディズニーの日本における販売権を獲得するなど,各社独自のランド商品の開発が行われているのが90年代の新たな変革である。ホールセール商品との急接近今後,ホールセーラーとツアーオペレーターの関係は, どのような形に進むのであろうか?視点を変え,今年のホールセール商品を見ると,FITの増加を見込んだ素材商品としてエア&ホテル,現地集散型のツアーなどのユニット商品の登場が目立つ。こうした背景には,市場に氾濫する格安航空券利用の個人旅行に対する販路の拡▲OTOA全体の就労人員は1900~ 2000人に上る大が窺える。一方,すでにユニット商品を販売しているツアーオペレーターとホールセーラーの素材商品とは,その境界線が曖味になりつつある。そして,両者の唯一の共通点は基本的に旅行者への直販をしないということである。したがって,顧客(リテーラー)に対して,いかに使いやすく値頃な商品を提供できるかということが両者の販売量の拡大につながる。さらに,現地におけるランド手配についてはホールセーラーは現地法人による旅行手配となり,`ソアーオペレーターは独自の手配網で旅行会社から委託された旅行者をハンドルするという2つの流れが予想される。この相互の素材商品がバッティングするか,互恵による相互乗り入れになるかは,商品価値と購買者である旅行会社の選択となる。最近の旅行業界内におけるユニット商品の一般化により,従来は現地空港に顧客が到着してからのハンドルが領域であったツアーオペレーターの業務が,輸送分野にまで広がりつつある現実は,90年代の大きな変革と言えよう。ここで旅行の流通販売を目的とするホールセーラーと,現地ランド手配を主な業務とするツアーオペレーターの体質の違いを見ると,前者は量販主体のプッシュ型マーケティング志向であるのに対し,後者は現地密着型のプル型マーケティング志向である。つまり,国内における販路拡大にはホールセーラーのマーケタビリティーが有効だが,現地の旅行手配については,デスティネーションの特性を熟知しているツアーオペレーターの方が優位だ。したがって,オペレーターが常に探じ求める新たなデスティネーションを商品化し,これをホールセーラーが販売ルートに乗せるという,両者の特異性を補完しあった形が今後の時代における協調路線ではないか。ツアオペは旅行の創作者だ旅行者のパッケージ離れが懸念されている。パッケージに限らず,旅行商品が総体的に伸び悩んでいる要因は,一言で言えば旅行としてのおもしろ味に欠けるからだ。過去四半世紀における旅行業界の成長は,旅行生産についての効率化を推進し,量販システムの構築には成功じたが,同時に個々の旅行商品に対する心配りを欠いた。これが,商品を無性格化する弊害も生んだ。マクドナルドはランチに便利だが, 1日に3度は食べずらい。だが,その中身が変われば, また買う気にもなる。旅行商品にしても,その材料と味付けが勝負どころである。一般に言われる旅行素材とは,エア,ホテル,鉄道,バスなど旅行商品構成上に必要な旅行パーツを指す場合が多い。これにプラスSS(観光)となってくる。これを消費者の側から見た場合,SS型周遊旅行で一番重要なのは,この観光の中身であり,輸送,宿泊は二次的問題である。観光そのものが本当の旅行素材なのだ。だが,一部の激安ツアーでは,こうした観光の重要性は無視され,航空券を売るための付け足しになるケースがある。極端な例では,香港2泊で朝食1回付き,観光込みで1人500円のランド手配が2rθ社団法人EtHrlyT-t^1,-t_ffie 壌三回趣彙盤蜃‐懇親会` _ :