ブックタイトル30_1964-1994

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概要

30_1964-1994

▲中国旅行は,今後どう変貌する?通方式とも言うべき新会社を設立したところに特異性がある。すでにパッケージ業界の中でも,外型変化と内部の構造変化の傾向が出ており,この調整段階が今世紀中の作業となるのではなかろうか。20世紀木は戦乱の時代と記したが,21世紀はこれに対して,波乱鎮静化の時代に進むことが予測される。これに伴う新たなデスティネーション開発が行われる余地が出てきた。現在も紛争が続くカンボジアのアンコールワット,和平交渉が進行するイスラエル,パレスチナ,近隣諸国のヨルダン,シリアなどの中東観光も今後に期待が持てる。パッケージツアー販売の基本は,一定の量的保証がないと商品化が困難な状況にあるにせよ,新規の需要創造のためには常に新たな観光素材の発掘が必要とされる。そのために,今後は現地ツアーオペレーターとの強力な提携が必要となるだろう。他方,既存のデスティネーションにしても,商品の質的究明が必要とされてくる。さらに,返還後の香港と中国旅行は,どう変貌するのか? そして,台湾との交流は? と考えれば世界地図は際限なく広がる。既存のパッケージ・デスティネーションは,若葉マークのパッケージ・ビギナーヘの新規需要創出の定番として販売しながら,旅行熟練度が向上した自由旅行者の食指をそそる「21世紀の旅行商品」への取り組みを図る時機に来ているわけである。▲VITAの第1号旅客(1993年10月1日)◆ ◆新運賃の受け皿作りが急務いかなる運賃も,基本的には2種類しか存在ない。普通運賃とプロモーショナル運賃である。航空運賃も同様である。ジャンポ機導入直前にプロモーショナル運賃として生まれた「バルクIT運賃」は,その後の業界発展に大きく貢献した。同運賃がコミッショナブルとなってGIT運賃に姿を変えた時,それはデスティネーション開発に不可欠の起爆剤となった。バリ。ブームしかり,オーストラリア・ブームしかりである。その半面,総需要喚起の名日でそのつど改定されるグループサイズやシーズナリティー,さらにはオンデイ,オフデイといった運賃の細分化によって市場の混乱は避けられないものとなる。83年にGV10が廃止されて以来,グループサイズの変更は需要喚起に加え,エアオン市場の排除を目指すことになる。同年,米国周遊型運賃の決定版としてUAコンポが登場。以後,米国で始まったデレグ(航空規制緩和)の波が,世界の航空運賃に大きな影響を与えることになる。また,GIT運賃は同時に“キックパック"の温床ともなった。やがてそれは必要悪として習慣化し,販売促進に不可欠なものとされ,IATA運賃の形骸化につながった。その反省から生まれたIIT運賃にも,GIT運賃時代の現金に代わりKBは商品券となって流通し始めている。団体客と個人客の仕分けは,団体運賃と普通運賃の仕分けを意味する流通サイドには,ペックス運賃のような個人プロモーショナル運賃を流し込む先がないのも間題。FITセクションの開設に踏み出す業者も現れているが, まだ数は少ない。一方,普通運賃も1980年に3クラス制が導入されて以来,サーチャージの徴収などで複雑になった。とりわけ82年にスカイ・リクライナー(寝台座席=写真)サービスが開始され,翌83年にJクラスが登場。これがエグゼクティプ・サービスとなり,サービスとクラスの料金仕分けが航空会社間で異なるという事態となったため,これを販売する流通サイドにも混乱が生じた。他方,発地国主義を採用する国際航空運賃は国際通貨変動に左右される。輸入航空券は,こうした隙間をついた。円高になるにつれ,航空会社にとって方向別格差是正が重要課題の1つとなっている。2θ 7パッケージ‥Iス(ハ似旅イテ業界1994 運賃:´●「く鷲趙