ブックタイトル30_1964-1994

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概要

30_1964-1994

‘ヽソ■▲ルック商品が100万人目の顧客を迎えたのは1979年3月12日のことちなみに,ルックJTB,マッハが20%の値下げ,ホリデイ,ヴィータがともに19%,アイルも18%と軒並みの値下げである。さらにコース別となると,ルックワールドのヨーロッパは22%も値下げじて日立っている。こうした一連の値下げは, 4月1日発効の個人向け新運賃による個人旅行者の増加を呪んだうえでの値付けである。一方,値下げと同時にFIT向け商品とも言うべき旅行素材商品が増えたのも,今年の1つの特徴である。エア&ホテルなどのユニット商品, また,往復便と到着地のホテル1泊,これを起点としての2都市周遊といったタイプの旅行商品は,FIT旅行者が使いやすい要素が盛り込まれている。過去の実績から言えば,旅行パーツを業界内で流通したのはトラベル・プラザ・インターナショナル(TPI)がパイオニアであったが,今やホールセーラーにパーツ商品を販売対象とする変化が表れている。さらに, ジェットッアーの自由選択型商品とも言える「アラカルト」になると,旅行者の意志が全面に押し出されてくる。その発想は,コマを合わせて解答を出す“旅行のキュービックゲーム"を思わせる。80年代は,消費者の多様化が論議を賑わせたが,90年代のパッケージツアーは,完成商品と半製品の同時販売という商品複合化の様相を呈している。ところで,海外旅行1200万人時代の状況のなかで,パッケージ旅行が占めるシェアはどのぐらいになるのか?今年のホールセーラー各社の送客見込みを見ると,ルックJTB, ホリデイ,マッハ,ジェットツアー,ルックワールド,アイルなどの大手6社が発表した数字(1ブラ, 2ブラ玉石混清の観はあるが)を合計すると203万2500人程度。このほかの各社合計を100万と仮定すると,総計は約300万人となる。ここからパッケージのシェアは,全海外旅行者数の25%という推定値が出てくる。他方,今,注目されている脱パッケージのFIT市場は約200万人前後というのが業界の読みだ。単純計算だと,パッケージ市場,FIT市場を合わせて500万人。このなかの何割のシェアを,パッケージ商品と,パーツ商品,格安航空券が取り込むかという乱戦模様が予想されてくる。パッケージ旅行の内容見直し時代パッケージツアー伸び悩み最大の要因は,いったい何か?その1つとして,パッケージツアーの生産者であるホールセーラーの泣き所は,自社商品に対する旅行者の反応を直接に把握できない点である。販売形態自体がリテーラーを通しての経路である以上,パッケージ常に間接的な状況把握しかできない。作った,売った,売れなかった,の結果でしか判断できない怖さがある。そして,商品に対しても高度成長時代には一応の旅行条件が揃っていれば,旅行者は納得した。だが,現在のように消費者の旅行経験が増え, レベルアップしてくると,初期には見えなかった旅行商品の欠陥に不満を持つことになる。それは,ホテルのグレードとか,料理の皿数ということではなく,そのパッケージが本当にお客を楽しませ,喜ばせる演出が行われているかどうかという点である。いわゆるフルペン,添乗員付きの主催旅行の場合,旅行者の反応は直に添乗員に跳ね返ってくるから消費者志向が分かりやすいし,商品の手直しも即座にできる。しかし,ベルトコンベアに乗せられた缶詰はそのまま機内に運び込まれ,到着地の空港で降ろされるという無機的な性格を持っている。これは,70年代以降のマス・ツーリズム時代においては,最も効率の良い対応であり,旅行形態でもあったわけだが,その後に続く80年代にもスケルトンタイプの出現とか自由時間の挿入とか,外型的な変化はあったとしても,内容の質的な変化が伴わなかったことが,パッケージ離れを起こしたのではなかろうか。もう1つの要因は,ホールセーラーとリテーラー間のコミュニケーションの稀薄化である。マス・ツーリズムは量の旅行対応のために,生産と予約システムを大幅に進化させた。これは,予約業務を例に取れば,70年代のラウンド・テーブル時代からコンピューター化への技術革2イ,5●口■●●ロロ■ロロロ■ロロロ●■●曜 ¬ヽヽ7η● 」|」L|.1ノ`ツ饉¶L躙壼堰1 1ヽ¨  1 ‐―. ―