ブックタイトル30_1964-1994

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概要

30_1964-1994

1992年のベスト5は,①ハワイ(164万人),②米国本土(146万人),③韓国(140万人),④香港(132万人),⑤ シンガポール(100万人)となっており,これら5地域がミリオン・デスティネーションであった。ちなみに,スイスは14位にランクされている。この訪間者数の順位は,旅行者の量的バロメーターとしては参考になるが,必ずしも日本人の海外旅行者の全体像とは言えない側面を持っている。恐らく,今後は「どこの国へ?」という設間に加え,「何を楽しみたいのか?」という目的意識を追求していくカウンセリング的な要素が強まってくるだろう。助日本交通公社が実施したデスティネーション別のセグメンテーションでは,1992年の傾向について次のような調査結果を出している。[学生]北米,欧州が多く,男子学生では東南アジア,中近東,アフリカ,オセアニアも多い。[ヤングOL,事業主婦]ヤングOLと専業主婦は,ハワイ,グアム,サイパン,東南アジアなど近場のビーチリゾートが多い。これに対してアダルトOL,家事手伝いでは欧州が多い。[既婚男性と熟年層]高年齢層では東南アジアが依然上位。このほか,ハワイ,グアム,サイパン,欧州などのシェアが増加し,多様化が進んでいる。[ハネムーンとフルムーン]ハネムーナーはハワイ,オセアニアに集中しているのに対して,フルムーンはヨーロッパが多い。前年に比べ,両者ともヨーロッパのシェア増加が目立つ。さらに,希望する旅行のスタイルは「効率的にたくさんの所を周遊するより, 1~ 2カ所でのんびり旅行」という志向が強まってきている, と指摘している。この調査結果を見ると,旅行者の動きが立体的に浮かび上がってくるし,過去数年来の旅行目的地の推移が理解できる。そしてまた,その階層別によって旅行者の嗜好に合った商品作りの必要性を痛感させられる。旅行会社が同じデスティネーションを売る場合でも,客層によって演出が変わってくる。旅行マーケティング▲昨今では海外で日本語の看板を見かけることもめずらしくなくなったコンシューマーは,今後,よリセグメントされたデータを基にして旅行者に対応する時代となる。FI丁は本当に独りで歩けるのか?旅行の場合,「消費者主権」とはいったい何だろうか?消費者という言葉自体が,ラルフ・ネーダーに代表される「コンシューマリズム」や「消費者パワー」に結び付けられるケースが多いのも実情だ。しかし,経済学で言う「消費者主権」の意味合いは「利用者が消費行動から得る満足度の基準」である。旅行商品を例に取るなら,その商品に対して旅行者が,どの程度の満足感を持てるかにある。最近,問題視されているパッケージ離れという現象にしても,その商品内容に不満であれば,結果的には消費者不在による購買力の低下につながる。しかし,この場合パッケージ利用を拒否する客層が,そのままFIT化(個人旅行)するというわけではない。なぜならば,同じFITでも旅行経験のレベルに相違があるし, また全行程を独り歩きできるとは限らないからである。そこには,旅行業が介在しなければならない職城がある。旅行に必要な素材は,航空券とホテルだけではないのである。むしろ,今後,少数単位の個人旅行者が増えてくれば,旅行会社はアフターケア197…■■■■■■口■■■■■■く自由化初期,ハワイ旅行も背広,ネクタイ着用であった凛ヽ円 陸 |』′ ぶよ町』・色日■鷹‐t「‐Q 融一嘔疇.癬`へ:Iノ 一‐..凛