ブックタイトル30_1964-1994

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概要

30_1964-1994

旅イテ業界1994女性上位の21世紀追いかける熟年高年齢の旅行者たち◆ ◆海外観光渡航自由化の初期,団体旅行に参加する女性客に和服姿が目立った。ハワイでさえも訪問着姿を見かけた。初めての海外旅行にはヨソ行きの正装をしたのである。が,最近ではグアムやサイパンヘ行くギャルたちは,タンクトップにホットパンツ姿である。コンシューマーのトレンドは,猫の目のように変化する。旅行として受け入れられている現在では,安い費用で頻度をこなすという傾向が強まってきている。第2は,なぜ少数の都市限定なのかという問題点である。かつての豪華な,多都市訪間型の旅行形態に対する消費者の拒否反応がある。旅行経験が豊かになった現代のリピーターは,訪間都市を最少限に絞り,現地の滞在期間を延長するという選択をするようになった。さらに,この種の旅行をハネムーナーまでが利用し始めたという現実は,海外旅行における消費者のドラスティックなまでの変化を物語っている。旅行会社も消費者志向に対応するため,旅行商品の多様化を図っているのが現状と言えよう。だが,こうした旅行者の変化も年代,性別によって,それぞれ異なってくる。現在の海外旅行需要層の中で,中枢となっているのはどの年代なのか?法務省による出入国管理統計から,性別で渡航者数を分類すると,1980年代後半から女性の比率が年々高まってきており, 1992年には男′性58%にメ寸し女′性42%に達している。 さらに, これを年代別に見ると,ベスト5は①20代女性の197万周遊型から目的地選択の傾向強まる1960年代。初期の海外観光旅行は運動会の旗取リゲームに似ていた。限られた時間内で,何本の万国旗(都市)を取れるかが旅行会社の勝負でもあった。そして,旅行者も高額の旅行費のモトを取るため黙々とこれに従った。ちなみに,自由化の1964年に日本交通公社(JTB)が発売した「ヨーロッパの旅」は71万2000円であった。そして,客層も現在のフルムーン層に該当する中年以上が主流であった。当時,月給が2万円前後のサラリーマンには到底,手の届く代物ではなかった。30年を過ぎた今, ヨーロッパ旅行は20万円前後が当たり前になっている。なかには,往復航空券プラス,ゲートウェイ都市のホテル各1泊付きで, 2都市周遊込み10万円台という格安ツアーも出てきた。この2つの相違を見ると,過去30年間で海外旅行の消費者志向が大きく変化していることが`かかる。第1は,低価格志向である。海外旅行が一生に一度の壮挙ではなく, 日常的な人,②40代男性172万人,③30代男性137万人,④20代男性137万人,⑤50代男性108万人となっており,この5世代が海外旅行のミリオン・マーケットを形成している。海外観光渡航自由化4年後の1968年の男女構成比は男性79.9%に対し女性20.1%の亭主関白時代だが,その後の女権の拡大に伴い,専業主婦もドシドシ海外旅行に出掛けるようになった。こうした変化は,海外旅行初期に需要層のトップを占めた50年代の両親世代が,平成では娘世代に肩代わりするという逆転の構図が明確に表れている。この傾向は,今後21世紀に向け,より強まることが予測される。そしてまた,過去30年間の海外旅行は,このような厚い消費者層の需要に支えられ2桁台の急成長を遂げることができた幸運な環境に恵まれていた。デスティネーションはどう変わる?1970年代。海外旅行アンケートの中で,「訪問してみたい国」という設間に対し,常にトップの座を占めていたのはスイスであった。しかし,この時点ではジャンボ機就航によるマスツーリズムが開幕したとはいえ,海外旅行大衆化の初期であったため,スイスは,あくまでも“訪間希望国''としての存在であった。現実の問題として, 日本人の海外旅行者の興味の対象は今, どこにあるのか?′(,6コンシユーマー