ブックタイトル30_1964-1994

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概要

30_1964-1994

【旅は世につれ,世は旅につれ】「なるほど」は秘境ほど面白いウノントラなアメリカ流人海戦術世界各国ヘリポーターを派遣して,各地の珍しい風俗や奇習を紹介し,これを素材にクイズを出題する「なるほど・ザ・ワールド」(フジテレビ)は,その土俗性の強い香りと,意外性の面白さで視聴者を引きつけている。加えて, リポーターのパーソナリティーが大きく影響する。このような構成だと,通リー遍の素材では興味が半減するので,よリユニークな目的地探しが必要になる。その意味では,一般の海外旅行者が足を踏み入れることのない辺境が選ばれやすいが,秘境であり,奇習,蛮行があればあるほど,番組の興味は倍加する。こうした傾向のテレビ番組が放映されているという事実は,視聴者が少なくともテレビ画面では,平均的な旅行に興味を持っていないことを意味する。ならば「なるほど」を見てチベットヘ行くかとなると,これは全く別次元の話。例えていうなら,テレビで参加する秘境旅行の興味であり直接の旅行動機を触発させることはない。そしてまた,秘境が一般の観光ルートに乗った場合は秘境自体の存在価値はなくなる。その点で,「なるほど」はいい意味での,海外の面白さを場る役割を果たしている。これは,換言すれば,海外を志向する旅行者の内面に潜む願望を代行している側面を持つ。そして,時代の流れと共に,かつてのお嬢様紀行番組から,サバイバルな女性リポーターヘの移行を示す―イ列と言えよう。■主なTVの海外旅行関連番組兼高かおる世界の旅'60.9.20~ '90.3.30ヾネルクイズアタック25 '75.4.6~ズ'63.10.7~ '85.10.6'77.10.20~'83.10.6^ヤ'85.4'87.9.12~ '92.3.29'88.4.24~ '89.3.26「百間は一見に如かず」デスティネーションのイメージアップに必要不可欠な最大要素は,この一言に尽きる。といってよいだろう。「なるほど」が旅行者として, リポーターを派遣したのに対し, クイズ参加者に機会均等にアメリカ旅行の懸賞を与えたのは「アメリカ横断ウルトラクイズ」(日本テレビ)である。ただし,クイズに勝ち抜くという条件付きである。この企画の発端は, 日本テレビが世界一周を対象とした番組を検討していたものを,米国商務省観光局(USTTA)に持ち込んだことに始まる。これを受けたサンドラ。T・蒲生さん(現USTTAアジア太平洋地区支局長)が,パン・アメリカン航空の日比野宣伝部長につないだ。その結果,テレビ,航空会社,観光局の三位一体による「アメリカ横断ウルトラクイズ」の構想が現実化したという経緯がある。クイズの開始は1977年。以後,アメリカを中心に90年まで14年間連続で実施された。この間の参加者は延べ30万人に上るというダイナミックな番組である。ご存じのように, このクイズでは勝者はニューヨークに向かって駒を進めるが,敗者は罰ゲームを受けたうえ,即日帰国というのがルールだ。最初は8都市訪間で始まったこのクイズも,回を重ねるごとに人気が高|まり参加者も増え,訪問都市も最終的に16に倍増した。このため,旅行期間も延びるし,徳光,福留両アナも疲労の限界。旅行手配を担当した近畿日本ツーリストの添乗員は,毎回,勝負の決着するたびに航空券の束を持って死に者狂いで駆け回ったというのが舞台裏だ。途中,担当航空会社はパンナムからコンチネンタル航空に代わる。同社のクライド・マカポイ日本支社長がなかなかのアイデアマンで,;機内クイズを発案したり,敗者復活戦を採用したり,企画はどんどんエスカレートの一途を辿る。一方,東京の米国商務省観光局のオフィスにも問い合わせの電話が激増する。「自由の女神はサングルをはいていますか」といった質問に局員は真剣に応答しなければならない。ウルトラの期間は全員挙げての総力戦であったという。結局,14年間で訪問した都市は合計167ヵ所。ヤングの熱い勝負の背景には,必ずアメリカのどこかの街か村が日本テレビを通じて放映されていた。この「ウルトラ」のケースは,ダイナミックな観光プロモーションの成功例として挙げたわけだが,テレビというメディアを通じての海外旅行の促進活動は,確実な企画と実行力がないと焦点がぼける場合が多い。今後に表れる海外旅行番組がどのようなタイプになるか興味の持たれるところだ。▲硬派の海外旅行番組として人気を呼んだ新世界紀行(ルーマニア)]07ドアジアハイウェイ'93.4.25~ '94.3.27T8S系ANB系MBS系NTV系NHK 第1部 7へ′81 '80.4.第2部'834.どザ・ワールドCX系NTV系〕行T3S系NHKNHK1放送局 放 送 期 間|番 組 名|アメリカ横断ウルトラクイズシルクロードすばらしき世界旅行