ブックタイトル30_1964-1994

概要

30_1964-1994

【旅は世につれ,世は旅につれ】▼海外ではやはリデューティフリーのショッピングが人気(ロサンゼルス)「■ ■_▼海外お土産専門店の老舗,三洋堂の丸岡剛社長な当時のヒット商品と言えよう。その後,外貨持ち出し枠がUSS 700に拡大されたのが1969年。だが当時の旅行者にとっては, とても土産代にまでは回らない。そこで,帰国するやいなや,足りない外国土産を求めて三洋堂に詰め掛けることになる。特に多かったのは,地域の付き合いが広い地方都市の市長,助役クラス。これに加えて農協,酪農関係者も多かった。月間で1000万円前後売り上げたこともあり,なかには農協15人の客が600万円の買い物をしたこともあるそうだ。こうした舶来尊重時代が一段落した後は,同じ外国製品でも実用的なゾリングンの刃物,1趣味の民芸品,各国の陶器,ガラス製品,美術品などへと幅広い嗜好の分野に広がって行く。そして,現在ではプランデー,スコッチなどの洋酒類から,チョコレート,キャンディーなどの菓子類,冷凍食品まで幅広い商品を揃え,宅配を行うほどにシステム化した。こうした商品の購買層は年配者が中心になるのかと思ったが,店頭で見ていると若いペアがマカデミアンナッツやキャンディーを大量に買っている。お返しの多いハネムーナーにとってみれ|よ重い荷物を海外から運ばなくても済む便利な存在でもあるのだ。同社の商品カタログも豪華だ。アジア,ヨーロッノヽアメリカ,オセアニアなど各方面別に分かれ,在庫商品が一挙掲載されている。まるで旅行会社の豪華パンフレットと,デパートのお歳暮カタログの合体を思わせる豊かさである。国内で海外土産物を発注し,手元に配送してもらい,これを知人に配るという手軽さは,海外土産のショッピングにも大きな世相の変化を感じさせられる。的な都市が網羅されており,切手も用意してくれる。これを出発前に買い込み,宛て先を書き入れておいて,現地で投函すれば海外からの便りが簡単に出せるという仕組みだ。土産物というよりは, どちらかと言えは,見代の旅行用品に属するかもしれない。この海外絵はがきの需要創出者には,国会,県会などの先生方が多いという。国内で嗜必書に書かせておき,現地で投函すれば簡単だ。選挙前には格好のPRともなる。事実2万枚の絵はがきを買い込んだ常義員もいる。スーッケースにぎっしリー本分の分量である。だが,このセンセイは切手を貼っていなかった。絵はがきの切手貼りを命じられた出先の在外公館では, 5人のアルバイトを雇って, まる2日かかったそうだ。切手もアジアの国だと,糊が悪く剥がれてしまうものもあり,糊を塗り直して貼る苦労は大変なものだ。現在,三洋堂では外国切手も用意している。こうして見ると, 日本で書く「カナダからの便り」もあれば「ホヮイトハウス・リポート」もあるわけだ。ヨーロッパの街角で絵はがき1枚買うのにドギマギした時代から比べれば,これも現代の海外旅行の偉大な変革を象徴する新たな情報化時代の出現というべきか。ところで,今年は折からの米不足を反映してお米が人気土産物として注目されそうだ。すでに日本旅行のようにカリフォルニア米を買いに行くッアーを実施している所もある。このツアーでは良質の田牧米約9 kgを約850円で購入することができる。お米の国日本で,お米がお土産になるという,これも時代の変遷か。Iθ3サッカー0グッズも人気上昇。時代が変わればお土産も変わる相変わらずのゴルフブームだが,三洋堂の予約宅配商品の中には,英国の名門コースのセントアンドリュースのパターカバーからゴルフボール,ティーセットなども揃っている。セントアンドリュース・ギフトセットはゴルフボール3個,ティーマーカー,ポーチタオルなどがセットされており値段は2800円。ゴルフマニアが英国旅行をしても,セントアンドリュースまで足を延ばす人は限られる。こうした時に手頃な値段で気の利いた土産物が入手できるのが強みである。昨年来,Jリーグ人気に沸いている。海外の有名チームが使っているサッカーシューズや,チームマーク入りの小物類もヤングの人気を集めている。消費者の嗜好は時代の変化とともに目まぐるしく変化するのが現代の世相である。海外土産物と海外渡航用品を手掛ける同社にしても,常にマーケット重視の品揃えを図らなければならない。こうした状況下で,息の長いヒット商品として売れ続けているのが世界各国の海外絵はがきである。1財文ワンセットで400円。ヨーロッ′ヽアメリカ,オセアニア,中国など世界の代表、巌貶｝確ｒ・　　〓■，― 一■Ｆ一・‐山・目■司■曰菰,電遷爾シ鬱