ブックタイトル30_1964-1994

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概要

30_1964-1994

【旅は世につれ,世は旅につれ】▼機械読み取りの新パスポート(青色)旧パスポート(赤色)インカウンターがもぬけの殻になるなど,旅行者の足にブレーキがかかったのだ。当然この状況は,一般旅券発給にも即座に反映され翌74年には133万16001牛(対前年14%減)と,発給数がヽ毎外旅行自由イリ狭来初めてマイナスに転じた。業界関係者の間では,このオイルショックを境に, 日本の海外旅行業界はそれまでの高度成長期から安定成長期に移行したと見る向きも多く,数字の上から見ても,これ以降の旅券発給数の伸びは年間1桁台程度に落ち着いていった。MRPでさらなる海外旅行拡大へ対応大量輸送時代を経て,海外旅行10腑万人時代ヘ1978年は,12年もの年月をかけて建設された成田空港が5月20日に開港,包括旅行チャーター(ITOのスタートなど,海外旅行業界は“第2期大量輸送時代"を迎える。特に,ITCは地方からの潜在需要を揺り起こす良い機会となり,翌年の出国者数は403万8298人(対前年14.6%増)を記録した。一般旅券発給数も198万543件(うち数次往復旅券162万2237件,一往復・限定旅券35万8306件)と,今にも200万の大台に達する勢いであった。1980年代に入り,安定成長への足場を固めるはずの海外旅行市場であったが,その初めの年で出鼻をくじかれる結果となった。それまで年々伸びていた出国者数が,1980年には390万9333人(対前年3.2%減)とマイナス成長となったのだ。加えて,一一般旅券発給数も前年より約15万件下回る183万265件(うち数次往復旅券149万4115件,一往復・限定旅券33万6150(牛)となった。これには,第2次石油危機による航空運賃のイ直上げの影響が大きく, さらに,円安や物価の高騰など,海外旅行に不利な要素が一度に重なったためだと考えられている。この頃になると,旅券の盗難事件が相次ぐようになり,その対策が問題となってきた。海外で盗難事故に会った場合に備えて,在外の日本大使館。領事館での緊急発行態勢を整えると共に,盗難旅券が悪用されないように顔写真のラミネート加工化が行われ,そしてそれまでの青色から赤色の表紙へと変更された。日本人の旅券の盗難事件が増えたことは,国際社会の中での日本の地位が向上したことを示している反面, 日本人旅行者がオ各好の標的として狙われ安くなったことも示している。その後の80年代は,旅行業法改正による消費者保護や,航空各社の競争激化などの流れを経て,航空予約システム(CRS)の拡大,旅行業システムの拡大などの局面を迎える。しかし,旅券発給数も順調に成長を見せ,運輸省から「テン・ミリオン計画」が発表された1987年には対前年24.2%もの伸びを見せて300万台を突破,予定より早くこの計画が達成された1990年には469万7047件(対前年10.7%増)と,海外旅行1000万人時代を迎え,名実ともに「海外旅行の一般イロが定着したと言える。このように日本人の海外旅行が一般化するに伴い,外務省では1987年から機械読み取り旅券(MRP)の調査・研究に着手,92年11月に旅券の刷新を実施した。従来の旅券は国ごとの規格により作成され,おのおのの国の係官の視覚による審査を行ってきたハ今回の刷新では,近年の大量輸〕)針代に対応すべく,国際的な規格に統一して機減でのスムーズな処理を第一目的としたものである。刷新された旅券は,従来の視覚読み取りの個人データ記載部分に加え,機械読み取り用個人データが記載されたわが国初のMRPで,国際民間航空機関(ICAO)のガイドラインに基づき,サイズや身分事項記載項目の統一が図られている。具体的には,新旅券はサイズが縦125mm× 横88mmと,1日旅券に比べひと回り小さくなり,写真も縦45mm× 横35mmの転写処理などの採用が挙げられる。表紙も赤色から再び青色に変わった。現在のところ,世界20カ国に同様のMRP力斗采用されており,実際に数力国では機械での読み取り作業を実践している。日本では,1993年5月に成田空港。第2旅客ターミナルにMRP読み取り機が設置されたのをきっかけに,順次設置されている。このように時代の背景に沿って発給数を伸ばしてきたパスポートは,さらに拡大する海外旅行市場を呪んで機械化され, より手軽な海外旅行への重要な任務を遂行していくこととなるだろう。fθ ″|‐鑢|||‐‐|‐1翁 | ‐‐| |顔図尽一で閾|“彰1はpASSPORT国綺開日繭露姦圏JAPANJAPANPASSPORT