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概要

25_1964-1988

特別在液会司会/高梨洋一郎旅行を増やしていきたい。中国とか韓国を中心に,さらに東南アジアまで伸ばしていく。そういうことをやりながら成田と関西の両空港が開くのを待っていきたいと考えています。それと住田会長がおっしゃったインバウンドを伸ばしていくこと。韓国や台湾で渡航の自由化がされましたし,近隣の諸国からの訪日客を増やすことは相互理解の点からも重要なことです。一石田さんいかがでしょう。石田 「エコノミスト」という雑誌で10年後を予測していましたが,海外旅行に関して言えば潜在需要として2000万人位はあるだろうと思っています。ただ,中村さんが言われましたように空港のキャパシティや現地でのホテルといった諸条件を考えますと,2000万人は大きすぎますね(笑)。まあ1700万人は可能ではなかろうかと考えます。ただ,これも集中豪雨的に伸ばすのではなく,ステディに伸ばしていかなければいけないと思います。どっと出かけたのでは,先ほどの話のように,現地側からのひんじゅくをかうこ25年の経験踏まえ新時代へ挑戦とになってしまいますからね。一―兼松さん,どれくらい伸びますかね。兼松 分かりませんね。ただ,今の日本人は近い国にあまり行ってませんね。それを考えますと,人口の12%くらい,1500万人に近い線は目標にしてもいいのではないかと考えています。空港とか基本的な条件は国に考えていただかなければならないわけですが,個々の旅行については旅行業者にまかせておけば,それなりに伸ばしていけます。エージェントを助成する必要はありません(笑)。 もうひとつは,日本人が外国で嫌われないように,マナーはいらないんですが価値観だけは学校で教育しておいて欲しい。各国で国旗だとか元首だとか国歌というものに対し,非常に高い価値観を持っておられる。日本の教育はそういうことをしてませんので,外国で困ることが起きてしまう。この価値観を持たせるというのは,旅行業者では出来ませんからね。それと日本の経済が発展していきませんと海外旅行には行っていただけない。旅行業の立場から,日本が平和で繁栄していただきたいという願いを持っております。一山地さん,いかがですか。山地 海外旅行市場がさらに拡大発展していくであろうことは誰も否定しませんね。ただ,数としてどこが限界かは分かりません。やはリー番心配なのは,国際摩擦を起こさないよう十分に配慮していかなくてはならないということですね。航空会社の立場から言いますと,1992年のECの統合,それに日本における3つのプロジェクトですが,成田の2期工事,関西新空港,羽田の沖合移転が完成した時,その時が真の意味で国際競争が始まると思っています。現在はスロットの間題などで乗り入れが制限されている外国の航空会社もどっと乗り入れてくるでしょう。旅行業界にとっても新たな飛躍とともに競争の時代が始まると思います。私共としても体質の強化を図っていかねばと考えています。日本の旅行産業全体の基盤の確立が大事だと思いますね。一――イ主田さん,お願いします。住田 私も海外旅行というのは,ますます伸びていくと思います。兼松さんがおっしゃったように,平和が続く限り観光は伸びると思います。21世紀まで絶対に戦争は起こらないだろうし, またそう願っています。日本の海外旅行の場合,円高という基調は変わらないと思われますので,海外旅行はさらに拡大の方向にあると考えられます。従ってまさにバラ色の産業であると思ってもいいだろうと考えます。ただし,さきほどのマナーの問題ですが,他国の文化や習慣を尊重する態度は決して忘れないでもらいたい。これが守れれば,観光での摩擦はかなり少なくなります。余談ですが,これからの発展産業は,観光と花産業だそうです。いずれも平和を象徴している産業ですね。兼松 もうひとつ付け加えたいのですが,人口構成の問題がありますね。昭和20年代の初めは65歳以上1に対し労働人口は12だった。子供が6でした。現在は65歳以上が1に対し労働人口は6ですね。子どもは1.9です。これが2010年になると,65歳以上1に対し労働人口が3だというんです。15歳以下の子供は0.9になってしまう。労働環境が変わってしまうわけですね。その場合日本もいずれ外国人労働者を受け入れることになるだろうと思われます。厚生省の資料によると日本人の人口は2010年には1億3200万人となっています。観光産業に外国人労働者が携わる部分はあっても客になる割合は少ないでしょうから,人口構成も頭に入れて観光の将来を考えておかねばならないでしょうね。一貴重なご意見をありがとうございました。さらに海外旅行の拡大発展のために,皆様のご指導をお願いしたいと思います。解ヽL囃‐蓼亀