ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

25_1964-1988

すます大きくなる。多かれ少なかれ旅行業を支えてきたチケッティング・ビジネスは終えんを迎え代理店から総合旅行業への転換はより不可欠の条件となる。新規参入業者の増大とも併せ,旅行業の存在価値がより厳しく問われることは間違いあるまい。不可欠となったグローバルな視点そして5つ目は,グローバリゼーションの時代というか国際化への対応だ。ともすると快調な伸び率を続けるわが国の海旅市場だけに目を奪われがちだが,東西の緊張緩和や経済発展を背景に,余暇先進国の欧米諸国はもとよりNIESをはじめとする発展途上国でもこのところ急ピッチで旅行者が増えている。夏のハフイは韓国からの観光客で時ならぬ賑わいをみせたが,グアム,サイパン,タイ,香港,台湾,シンガポールなど日本での量販デスティネーションでは軒並み,ホテルの争奪戦が起こっているという。月を追い年を追うごとにますます激しさを加えているのが実情だ。一方,花のパリでは200年祭の影響もあるのだろうが,ルーブルやベルサイユ宮殿では1時間半も行列をつくったと日本人旅行者が嘆きながら帰ってきた。一部の国を除き国内にしろ海外にしろ人間が地球を動き回る浮動化現象が世界的な規模で起きている。これまで,市場規模の大きなアメリカや日本の動向を見ていれば大方間違いなく対応できたものが,世界各国の動きを頭に入れなければ,適切な手配や仕入がますます出来なくなってきている。恐らくこの傾向は今後加速度的に強まっていくであろう。PATAにしろUFTAAにしろ旅行業の国際社会で活躍するわが国の業界人は残念ながらまだごく少数派に過ぎない。活躍出来ないというよりむしろこれまで巨大な日本市場をバックにその必要性を切実に感じてこなかったといった方が正鵠を得ているかも知れない。しかし,世界的な需要構造の変化はもはや,数を頼みとする対応ではどうしようもなくなりはじめている。既に今年7回目を数えるJATAコン(日本。国際観光会議)の開催などによって,日本の海外旅行マーケットの特殊性や,組織としての対応が基本である日本流のビジネスのやり方なども相当理解されるようになってきた。しかし, ともすると数を頼みに無謀な安売り競争のツケを現地のランド仕入に持ち込む基本的な体質は,まだまだ大きく変わっていない。すでにアジアのある都市では,コストのシビア過ぎる日本マーケットを嫌い,仕入値の高い韓国からの引合いを優先させているケースも散見されるようになってきたという。必ずしも数だけが全てではないビジネスの質の到来であり,国際的な視点なしには的確な仕入さえ思うに任せられない時代になってきたと言うべきなのだろうか。日本のマーケットや旅行産業の課題を考えることばかりでなく,世界の旅行業が直面するグローバルな視点を確立し,その中で必要な対応策を図ることが,21世紀を望む日本の旅行産業にとっての最大の課題であるといってよいのかも知れない。瓢■■場目層■11|18`111 ヽ1 □一〓■r.、鷲・ゝ燻・一   ‥  ヽ鋼r'ヽ―¶ゴヽ