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概要

25_1964-1988

初歩的な旅行業の商取引に対し,むしろ供給が需要をつくりだしていくというのがマスツーリズム時代の基本的なセオリーだが,そういった需給構図のメカニズムをつくり上げたのが,ジャンボ・ジェット機の登場と一括仕入れによる大量販売システムの定着である。座席やベッドなど旅行を構成するサービス材は,時間の経過と共に商品価値が一瞬にして無に帰する,在庫の効かない特殊な商品である。このためコンシューマに対し継続して安く良質な商品を提供するためには,巨大な水ガメであるダムの水量を適宜調整し有効活用するという計画生産・計画販売体制の確立は必須条件となる。その役割を担ったのがホールセーラーに代表される旅行業者である。自らのリスクによって旅行素材を一括仕入れ,商品化したうえで宣伝・販売し催行するというメカニズムなしに,今日の海外旅行市場の飛躍的な発展は語り得ない。過去25年間,途中2度にわたる石油危機で多少の足踏みを余儀なくされながらも,わが国の海外旅行マーケットは12万人から840万人へと他に例をみない飛躍的な発展を遂げてきた。以上,その代表的な3つのポイントを挙げてみたが,もちろん高度成長の要因はこればかりではない。交通量の増大に合わせた空港の整備やCRSの登場がなかったら大量航空輸送のインフラは構築できなかっただろうし,航空会社や政府観光局によるプロモーション活動がなかったら,ムード商品といわれる旅行がここまで快調な伸び率を続けることはできなかっただろう。収益率を二の次にした旅行業者間のダンピング競争やメディア販売に代表される新たな販売チャネルの開発も市場を大きく押し上げた要因だ。もちろん,旅行業法の整備によつて旅行業が産業としての基礎固めを一応終えたことも見逃せない。いずれにしろ,自由化から黒字減らしの「テンミリオン計画」に至るまでの四半世紀は,わが国旅行産業にとつて大人への階段を一歩一歩上り続けた,基盤形成の25年間であった。長期体暇制度の推進運動を〃一方,海旅1000万人市場を目前に21世紀まで今世紀も残すところあと10年となってきた。今後の旅行産業の課題は何か―ここではあえて次の5つのポイントに絞ってその一端を考えてみたい。ひとつは,いうまでもなく円高やテンミリオン計画をバックに依然快調に伸長を続ける海外旅行マーケットの維持・拡大である。職場海外旅行やファミリー旅行の台頭など今後とも当面需要は依然強含みで推移すると思われる。このため近い将来,海外旅行市場は年間千数百万人規模に一気に駆け上がり,場合によっては21世紀を待たず2000万人市場も夢ではないといった強気の予測も出はじめているが,しかし,残された最大の課題は働き蜂・日本人の長期休暇制度の推進だ。幸い「テンミリオン計画」に呼応した政府の各種施策や民間企業における長期有給休暇制実施の気運が着実に芽生え始めているとはいうものの,フランスのように法的拘束力があるわけでもF~~~色言――― 一IδIで海外旅行を楽しめる時たになったが"¨ ¨~「~~理~~~?睦中磯    , 餞『一義  ,W「・)慶菫ヨ硼