ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

20_1964-1983

197:年 BSP導入システム構築の立役者・伊東俊―郎氏世界に評価された日本企業の連携と技術[伊東俊―郎氏略歴〕UCLA卒業後,1956年日本航空腑入社。「ジャルパック」の創設(ネーミングは伊東氏),JALCOM I(予約システム)設置,IATA¨BSPの導入と,常に新しいプロジェクトに取り組む。現在, 日本航空営業本部JALカード・サービス・センター部長として,カード・プロジェクト担当。BSP(Bank Settlement Plan=銀行集中決済方式)が, 日本航空ゃIATA(国際航空運送協会)乗入れキャリア,JATA(日本旅行業協会)経営委員会で検討されるようになったのは1967年。「BSPシステムは, もともとコーロッパ地区に導入することを目的にIATAが考案したものですが, 日本航空は,わが国でもBSPをやるべきだという方針を持っていました。複雑な航空券の売上げ決済を合理化する上で, 日本の代理店の役に立つ, と考えていたのです」と,伊東俊一郎氏は当時の状況を語る。「BSP」とに航空会社と代理店の代理業務を,決済銀行の諸機能を通じて集中的に処理するシステム。BSPの導入で,IATA加盟キャリアごとに個別に行なわれていた精算業務が一本化され,IATA加盟代理店の発券業務は,大幅に合理化された。「アメリカにはASP(Area Sc■ lcmentPlan)がありましたが、銀行が機械化されておらず, コンピュータの利用もなしでやっていました。これにくらべ, 日本の銀行は, コンピュータ化を急速にすすめていた。日本では航空会社と代理店との協力が緊密で,銀行にすぐれた機械処理能力のある一これをIATAが認識し,他国に先駆けて, 日本へ導入することになった。日本を突破口にして,BSPを広げようという意向もあったようです」。それにしても,代理店の協力がなければ進展しないプロジェクトだった。「日本の代理店は企業としてしっかりしているため,小さなマイナスは気にせず,大局的な立場から合理化に積極的。これがよかったと思います。大手の場合,BSPでやると金利面でマイナスになることもあったが,終始,協力的でした」。これが,“パパ。ママ代理店"の多い欧米との違うところだという。「業界のお役に立とうというキャリアの姿勢,代理店の積極的な協力,優秀な銀行の3要素がうまく機能して,BSPが,世界のトップを切って, 日本に導入されました」。!97:年 旅行業法制定改正作業を指揮した住田俊―氏抜本改正で旅行業発展の基盤を築く[住田俊一氏略歴1 運輸省船員局長,同。大臣官房観光部長,ジュネーブ在外勤務など歴任。1航空法」,1日本航空株式会社法」の立案に参画したほか,観光部長在任中,「旅行業法」の制定に当たる。法学博士。現在、旅行開発(榊。代表取締役副会長。1971年11月10日,旅行業法が施行され,以後10年間,82年の改正旅行業法に引き継がれるまで,成長期の旅行業界を律し,支えた。「それまでは,1952(昭27)年制定の旅行あつ旋業法に基づいていましたが, これを改正して,題名も変え,『旅行業法』としました。法律改正の直接の引金となったのは,68年の“墨東睦共和会事件"です。これは,旅行あっ旋業者の法的責任に関する事件。ある旅行グループが,旅行あっ旋業者のあっ旋で旅館に泊ったが,その業者は,旅館に宿泊料金を支払わないうちに旅行代金を持ち逃げした。どちらが宿泊料金を支払うかということで,裁判沙汰になりました。地裁に旅行あっ旋業者は旅行者の代理人,客のために代わって手配したのだから,最終支払い責任は客にあるとし,客に二重支払いを命じた。一方,高裁は,旅行あっ旋業者は,旅行者から旅館の手配を請負ったのだから,客は支払う必要がないとし,旅館は泣き寝入り。このように民法上の代理,請負の概念で判断しようとすれば混乱し,客も困る。そこで,旅行業の定義が不明確で,取締法的だったあつ旋業法を抜本的に改正し,取引法的な旅行業法をつくることになりました」――運輸省観光部長として旅行業法の制定に当たった住田俊一氏は,当時の背景をそう説明する。この旅行業法により,旅行業は明確に定義され,旅行業者の行為も,“媒介。取次。代理"の契約概念で類型化された。また旅行業者の登録や営業保証金制度,旅行業務取扱主任者制度などが導入され,当時ひどかった誇大広告の禁止も謳われた。「この法律によって初めて,旅行業は,国民的基盤に立って発展する産業としてのレールを敷かれたといえます。71年当時,海外へ出かけた旅客が約96万人。83年は423万人。海外旅行が必需品の一つとして,いかに生活の中に入りこんできたかが分かります。その柱となったのが,旅行業界の秩序を確立し,体質強化を図った71年の旅行業法だったわけです1。IびI●お籠ヽ・ヽ・E■「i媚膨′″(11111'11F,メ鴨‐嘲圏箇■