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概要

20_1964-1983

スを導入した背景に国際航空需要の伸び悩みと業務渡航市場の見直しによる収益の向上である。世界的な不況により,航空会社の経営状態は軒並み悪化, とりわけシェア確保のための低運賃競争はロードファクターは上がるが収益は伴わないという具合で,経営の足を引っ張った。これはデレグ下のアメリカで顕著であったが, 日本でもやはり状況は似たようなものであった。また,一方では,オイルの値上がりや諸経費の増加など航空会社の経営を圧迫する要因は依然予断を許さず,収益減とコスト高の谷間で,航空会社はイールド向上に真剣に取り組まざるを得なくなっている。そこで,収益改善の最大の期待を担ったのが業務渡航市場である。日本企業の国際化が進み,海外出張者の数は,観光市場の伸び悩みと裏腹に1980年代に入っても依然として堅調に増加しており, ノーマル・フェアを支払う旅行者に航空会社の熱い視線が集まることになった。これまで,観光市場を主要な攻防の場としてきた航空会社がイール海外旅行は換えればMTP割れ商品を公然と売るための手段と言えなくもない。している。家計を取り巻く経済情勢は依然厳しいといえよう。また,海外渡航者は423万2,246人で対前年比3.6%と減少を記録した80年からは再び順調な回復をみせている。来訪外客ち対前年比9.8%増の197万人に達し200万の人台にあと一歩と迫った。高度成長期ほどの伸びはみられないものの,海外旅行をはじめとする観光は国民生活の重要な一分野となった。「観光基本法」の掲げる観光を通じての相互理解や国際親善は,まさ|′Cこれからの課題といえよう。この20年間で40倍以上の驚異的な増加を示し,渡航者数増加には及ばないものの来訪外客数も6倍を上回る高水準の伸びをみせている。ところで1983年の観光統計をみると,80年代に入ってからの傾向が定着した感が強い。低調な国内旅行と比較的好調な海外旅行という対比がそれである。白書によると83年における国内旅行の参加人員は延べ1億2,000万人と対前年比3.4%増を記録したものの,延べ宿泊数では2億1,900万泊と全くの横這い,兼観光を含んだ宿泊数では逆に1.5%の減少を示ド向上のために業務渡航市場への取り 従来の企画商品を一般マーケットの流 低成長時代の到来で,大手旅行会社の組みを強化したことが, ビジネス・クラ 通に乗せる際,ブランド名を冠すること 団体販売は苦境に立たされた。第2ブラス採用の最大の動機となったわけだ。 が一般的となったが,ホールセール・ブ ンド商品の誕生は,それを打開するためビジネス・クラスの取り組み強化は, ランドとは別の名称で販売したため,第 の“苦肉の策"である。しかし,需要の広く捉えれば個人客重視への方向転換と 2ブランドという名前が定着した。一部 拡大どころが,マーケットの一元化が熾も言えるもので,FITの増加が顕著な市 には,単に価格が安い商品という意味に 烈な過当競争を生み, 自分で自分の首を場動向への積極的な対応として評価でき 拡大解釈されているケースもあるが,お 絞める式の図が出ている。反面, これがるが, ビジネス・クラスの採用だけで しなべて低価格志向の商品であることは MTP実勢化へのキッカケともなった。は,解決しない問題もまだ山積みされて 事実である。何に対して安いのか ―そ 日本交通公社「パレット」やジェットいる。 (Y.S.) れはMTP(最低販売価格)である。言い ッアー「VIVA」などが代表格。|??????||? ???!?????|???|? |?????|?????|????????l??????????l???!????????????1???!??????|???!????|? |???|????l????????????|? |????????1983年の報告の冒頭,白書は「観光基本法制定後20年をふりかえって」と題する一文を掲載し,過去20年間のわが国観光の歩みを回顧している。それによると国内観光は,昭和39年に比較して,延ベ参加人員で約2.5倍,国民1人当たり回数で21倍の増加を記録した。一方,国際観光に目を転じると,海外渡航者数はレ自民党中川一郎氏が札幌市内のホテルで自殺(1月)レロ本海中部地震(M7.7)(5月)レ戸塚ヨノトスク~ル校長逮捕(6月)レ死刑囚免田栄さん無罪確定(7月)トフィリピンの反体制政治家アキノ氏暗殺(3月)レソ連戦闘機が大韓航空機を撃墜(9月)>大阪21世紀計画スタート(10月)レ三宅島の雄山が大噴火(10月)トラングーンで大規模爆発事件(10月)レ田中元首相実刑判決(10月)東京ディズニーランド開園東京ディズニーランドが4月15日開園した。本場アメリカのディズユーランドのコンセプトをそのまま日本に持ち込み, 日本の遊園地とは^味も二味も違った新しいタイプのレジャー施設の誕生である。都心から高速で30分,千葉県浦安にオープンしたこの“夢の国''。開園早々から予約は満杯で,国内旅行のカンフル剤としての役目を十分果たしているが,それ以上にアジア域内の相互交流に威力を発揮している。国際観光振興会(JNTO)では,昨年前半のASEAN 5ヵ国からの旅行者の推移をまとめているが, この結果が実に興味深い。まずシンガポール。1983年1月から3月の期間の伸びは9.7%増(前年同期比)。それが4月には945%増という記録的な伸びとなる。そして5月が47■ %増, 6月が41.4%増である。インドネシアの場合, 1~ 3月は140%の伸び。4月は15.4%増とここまではまともな伸びである。それが5月になると30.2%増, 6月には347%増と跳ね上がる。タイも同様である。1~ 3月の21.3%増もまずは好調なのだが,4月になると68.6%増,5月429%増,そして6月は50.6%増となっている。4月を境にASEAN諸国からの旅行者が急増しているのである。その主因が東京ディズニーランドの開園だ。同園は開園1年で入園者1,000万人以上を数えたが,アジアからの観光客もこの数字に大いに貢献している。事1キ再録社会重大I'9