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概要

20_1964-1983

わが国のチャーター制度はそれまで,「オウン。ユース」と「アフィニティlの2形態に限定されていたが,制度の有名無実化と市場の成長に伴って規制緩和を求める声が大勢を占め,新制度の導入が検討されていたもの。ITCについて,運輸省では「地上部分におけるツアー等と航空運送とを組み合わせた包括旅行である」と定義。これによって旅行業者が航空機をチャーターし,不特定多数マーケノトを対象に観光,休暇旅行を“チャータ~● パノケ~ジ・ツアー"として売り出すことができるようになったが, この場合,価格は最低限,航空運賃, ホテル代,送迎費を含むものでなければならず,個々を切り離して販売することはできないとされた。申請の受付けは11月6日から開始され,第1便が飛んだのが12月12日。福岡発マニラ行き(用機者=JCT, キャリア=日航),同発香港行き(JTB,全国空)の2本だった。一番機が地方空港から飛んだのは,成田,大阪空港からのITC離発着が発着円高でよ1978年の海外渡航者数は352万5,110人,対前年比11.9%の増加と順調に推移した。物価が沈静化して実質所得に伸びがみられたことが順調な海外旅行の背景になっている。消費全般も同時に明るさを取り戻した。こうした要因は,国内観光にもプラスの影響を与えた。石油ショック以降横這いを続けてきた宿泊観光レクリエーションは,年間1億7,800万人回で対前年比14.1%の増加を示している。また観光レクリエーション消費額(実質額)も74年をピークに低下し続けてきたが,78年になって初めて持ち直し, 1人当たりの名日消費額は2万5,600円となった。一方,来訪外客は円高騰の影響を受けて伸び悩み, ことに後半期には前年同期比を下回るなど低調に終わり,ほぼ前年並みの水準にとどまった。このため国際旅行収支,国際観光収支とも赤字幅が‐挙に倍増して,それぞれ32億ドル,20億で,具体的には革新的低運賃の導入,チャーターの自由化,定期輸送における輸ドルというきわめて高い水準に達した。白書は両収支の悪化を円高の影響と結論づけている。ところでわが国は78年にWTO(世界観光機関)に加入した。白書はこの話題を観光分野における国際協力の項目で扱っている。WTOはIUOTOが75年に改組した国際組織であり,発展途上国を中心に観光振興のための援助を行なうことを目的としている。白書によれば,わが国がWTOに加盟した目的は,観光政策を推進していく上で必要な資料の収集だという。枠の制限や燃料問題などで不可能となっ デレグは“deregulatiOn''の略。規制 送力規制の撤廃などである。たためで,当初呼び声の高かった「ITC 緩和の意味で,特に米国の「航空自由 実際の法律としては,前年に成立したによる大量輸送時代の幕開き」は腰砕け 化」の政策を指す。種々の政府規制を緩 「貨物規制撤廃法」に始まり, この年のとなった感が強かった。 和し,自由化原理,競争原理を導入する 「航空企業規制緩和法」,80年になって成また,当初10月1日からの導入がいわ ことにより,運賃の値下げやサービスの 立した「国際航空輸送競争法」などがあれ,一部の用機者はバンフレントの作成 向上を図ろうとする政策。 る。準備を終えていながら開始が延期された この年3月,米国のカーター政権は従 このデレグ政策によって米国では,大こともあり,ITC導入に伴う業界の期待 来の許認可を中心とした航空運送上の諸 手キャリアの倒産や新興キャリアの台頭は大きく外れたとする声も多かった。 規制を緩和する政策を打ち出した。これ など大きな変動があり, 日本の旅行業界(T.0.) は国内航空,国際航空の両者に及ぶもの にも少なからぬ影響を与えた。|???|????|???????|??!?????|????l??????|???|?????|??????!???????????l?????????|????|? l??????????????????|? |????|? |???????|???????,1,カ客″外蹴訪に来争>A香港型/ソ連風邪による流感猛威(2月)>東京・池袋にサンシャインンテイ・ビル完成(4月)レ植村直己さんがイヌぞり単独行で,北極点到着(5月)レ宮城県沖地震,死者28人(6月)>日本が世界の最長寿国に。平均男72.69歳 女77.95歳(6月)>日中平和友好条約調印(8月)● 456年ぶりに イタリア人以外の法王ヨハネ・パウロ2世即位(9月)>中国・都小平副首相来日(10月)円高騰,インバウンドに打撃年明け早々に東京外国為替市場で1ドル=237円台の過去最高値を記録した円高情勢は,国際的投機筋の“円狙い撃ち"を背景にますます激化し,10月3111には一時175円50銭を記録するに到った。この円高による旅行業界への影響は,まずインパウンドの不振となって表われた。前年,100万人の大台に乗った訪日外客数は,オイル・ショック以降の伸長を自然増と考えれば,10%前後の伸び率でこの年も推移すると見られていたが,最終的にはわずか1%増の103万8,875人で終わった。この1%の伸長に貢献したのが,大型の国際会議の参加者数。この大きなイベントを相次いで, ようやく100万人台を獲得した観があった。それだけ一般の(とくに米国方面からの)訪日観光客に円高が打撃を与えたといえよう。一方,アウトパウンド業界にとっては, この円高は国際航空運賃のレートの格差となって表われた。l FCU=296円のレートに対して,実際の為替レートで円が強くなりすぎたため,運賃是正を求める声が消費者と旅行業者から上がり,同時に帰国便の運賃を現地で払うという“ワンウェイ。チケット"が流行した。航空運賃についてはその後, 日本発を安くするなどの調整が加えられ, また旅行業者などの円高差益も現地サービスに還元するなどの努力がなされたが,全般的にはこの円高で業界が潤った面は否めない。事fキ再録社会重大ニュースゴ2フ