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概要

20_1964-1983

19781978年は成田新空港のオープンとITC(包括旅行チャーター)のスタートがもつぱら旅行業界の話題となつた年だった。第2期大量輸送時代の到来が叫ばれ,その重要な前提条件として待望されていた新空港とITC。しかし,話題の割りには結実するものは少なく,大きな変化への糸口が緩やかに開かれた年ともいえよう。米国での航空自由化旋風や円高問題など国際社会の上でも変化の多い1年だった。「ZERO」の登場イ「曇力|サス「角lけに“辛斤しにヽ方に''|ジャルパノク」を企画・販売している旅行開発(JCT)は2月,若年層を中心とするDIY市場に的を絞ったフリータイム型の新商品「ZERO lを発売した。これは「ジャルバック」に代表されるパノケ~ジ●ツアーのイメージでは吸収しにくくなってきたヤング市場を再開発しようと,同社が前年秋から企画開発を進めていたもので,「ジャルパノク」発売以来13年目を迎えた同社にとっては,全体の顧客層の底辺拡大を狙った“第2次"戦略商品。6月から79年3月までに出発する70コース668本を第1期商品とし,デスティネーション別にはアメリカ60%, ヨーロッパ30%, グアム・ォセアニア10%と,若年層に人気のあるアメリカ中心の設定だった。ツアー形態は, 1都市を基点にホテルや交通機関を旅客が自分で予約。手配できる滞在型の「My Road」,パスゃ鉄道などのあらゆる交通機関を使い欧米を縦横に回る「My Scene」, スポーッや′ヽイキング, キャンピング・カー旅行,家庭滞在などを目的とする旅客向けの「MyFe1low」の3タイプに分けられ, いずれも“独立した旅行者のための新しい旅"をイメージさせて,新聞・雑誌,TVスポットなどで大量の宣伝が行なわれた。12∂●昭和"事しかし,鳴りもの入りで登場し,風俗的な感覚としては確かに若者の間に受け入れられたこの商品も,年末時点で集計してみると, 日標とした集客人員の1万770人には遠く及ばず,約3,000人に留まって,|~DIY市場は幻のマーケットだ」という声を聞く結果となった。その後,「ZERO」と同型のツアーが各社から発売され,苦闘しつつも市場を次第に広げる動きを見せたが,|~ZERO」がその先鞭をつけ,業界に新しい旅行形態を呈示したことは歴史的な事実となった。成|? 新空港オープンしかし'燃1由嬌共糸合にネック1966年の閣議決定以来,12年の歳月を費やしてきた成田空港(新東京国際空港)“欠陥空港"と呼ばれた成田空港も、開港後は大きなトラブルもなく、順調に推移が5月20日, 1万3,∞0人の機動隊に守られて開港した。一方に土地を奪われた農民の悲劇と,流血の歴史を引きずりながらも,旅行業界にとってはITCに象徴される大量輸送時代への熱い期待を背負n ようやくの思いで迎えた開港であった。欠陥空港と呼ばれ,開港前にはアクセスの不備や旅客誘導上の不安など,多くの問題が指摘されていたが,開港後は大きなトラブルもなく順調に推移,'1日平均180便が発着し, 2万人余の旅客が利用するようになった。しかし,一方では開港以前からの長期ストを終えたノースウエスト航空が就航(8月)したのを契機にかねて指摘されていた燃料問題が早くも表面化し,燃料不足を理由にそれまで1日8~ 10便あったチャーター便が大幅にカットされ,業界にとって開港後の最大の目玉であったITCも成田発着の夢は一気に遠のいてしまった。空港公団はその後,燃料問題解決のため, ようやく認可の下りた本格パイプライン建設に着工,鹿島ルートの貨車輸送量も増やしたが,短期的には大きな意味を持ち得ず,チャーターをテコとする大量輸送時代へのビジョンは,結局,幻となって遠のく危機に瀕した。成田空港は現在,パイプラインも完成し,当座の燃料問題は克服したが,懸案の第2期工事は反対派の抵抗が続くなか遅々として進まず,当初予定の実現の目途が立たぬまま“不完全空港"として,ようやくその機能を果たしている。東京・大阪発抜きでITCがスタート前年来,運輸省,JATA,航空会社間で検討されていた航空機の新チャーター制度案は, この年9月,ITC(包括旅行チャーター)を導入するとの航空局長通達によって一応の結着を見た。ノ成田開港夕∬Tθで新時付ヘ>旅行開発が ZERO」発表(2月)卜大阪空港に1アイド・ボディ機導入(1月)>新東京国際空港開港(5月)>ノースウエスト航空の10911間スト解決(8月)>全?空1′ ―ルド設立(9月)>米大統領が'航空規成緩和法」に署名(10月)レ円最高値、 1ドル=175円50銭(10月)>IATAが手数料率り111げ(11月)レ|1本航空がマニラヘ、全|1空が香港へITC l番機を運航(12月)旅行業界重大― スFトートLfy弥霊顆