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概要

20_1964-1983

f975 新たな成長求め試行錯誤の年1974年をショックの年とすれば,75年は安定成長期への試行錯誤の年であり,混迷の年ともいえよう。高度成長から安定成長期への転換点に立ち,高度成長のひずみが本格的に露出しだした年でもあった。需給のアンバランスから起こった航空運送秩序の混乱や日台路線再開,PAのニューヨーク直行便と、航空会社の動きが目につく一方, リピーター増によるコンシューマリズムの台頭も指摘され始めた。近ツー,業界初の株式上場地位0信用向上に先駆的役割日本の旅行業界を代表する大手旅行業者の一つ,近畿日本ツーリストが7月7日,創業20周年を機に東京。大阪の両証券取引所に2部上場した。これにより同社は,旅行業者としては初の株式上場会社となった。当時の資本金は12億円。増資によらず持ち株の一部公開による売り出し株数は発行総数の約24%にあたる580万株。売り出し株価は375円(額面50円)であった。若い業界が常にそうであったように,旅行業界も一人前の業種として社会的認知を受けるまでは“いばらの道"を歩まねばならぬ宿命を背負っていたが,その中で近畿日本ツーリストが,旅行専業業者として初の上場に踏み切り,旅行業者の地位を世間がどう見るかの社会的評価に真正面から対峙した先駆的な役割と決意は,大きく称えられた。わが国の風土のなかでは,サービスという目に見えない行為はなかなか代価価値を伴いにくく,旅行業に従事する者はそれぞれの立場で業種の持つ悲哀をなめ,時には“士農工商犬猫キャリア,エージェント"とまで自嘲してきた。であるがために,旅行業者は社会的使命や責務もかなぐり捨て,儲けることに徹し,その結果,抜け駆けが横行する 一とい`)Д 『ボ′Jθ 年うモラルの低下につながっていたということも言えよう。近畿日本ツーリストの上場は,資金調達力をつけ,企業として有利な条件を整えることはもちろん, こうした旅行業界の悪弊から脱皮し,社会的地位の向上,信用の向上につなげ,旅行業界が同族相寄り合う特殊な業界でなく,社会的な責務を堂々と果たしている業界であることを世間に知らしめることになったのである。同社はさらに2年後の77年6月1日,東証,大証の1部に上場することになる。EGの誕生と日台空路再開路線llj開で台湾ブーム再び74年4月20日の日中航空協定調印以来閉ざされていた日台空路は7月9日, 日台の民間取決め調印により, 1年3ヵ月ぶりに再開, 8月9日に設立された日本航空の100%出資会社日本アジア航空(EG)の第1便が9月15日,台北に向けて飛び立った。7月9日台北において財団法人交流協会と亜東関係協会の間で「民間航空業務の維持に関する取決め」が調印されたこと|′⊂より, 日台間の航空路が再開の運びとなったが,台湾側は中華航空乗入れということで問題はないものの, 日本側は,空路閉鎖まで週37便を運航していた日本航空が, 日中航空協定により復帰できないことから,運航キャリアをめぐってさまざまな憶測が流れた。既得権益の維持を狙う日本航空の100%出資の子会社,あるいは近距離国際線への進出を図る全日本空輸,累積赤字の解消に悩む東亜国内航空, 日本航空子会社と東亜国内航空の合弁会社等々,航空業界は大揺れに揺れた。しかし,結局,「国際定期航空は原則的に日本航空が一元的に運営する」という航空政策に沿って, 7月25日, 日本航空の全額出資会社, 日本アジア航空を運営航空企業にするとの政府方針の決定をみた。日本アジア航空は8月9日に登記をすませ,資本金5億円,板倉俊雄社長(日航常務取締役)以下約180人でスタートし,当初はE£-8-50で東京/台北間を週12便で運航することになった。また, 日台路線再開とともに日本航空の台湾FIR(飛行情報区)上空通過が回復された。75年の訪台日本人旅客数は,74年4月の日台路線運航停上の影響を受けて,対前年比4.5%減の41万9,259人となったが,再開翌年の76年には,同23.2%増の51万6,449人と, 日台路線停止前の43万7,821人(73年)を大幅に上回り,一気に50万人の大台を超え,台湾需要の根強さを改めて見せつけた。PA,NYCへ.ノンストッフ°イ更イールド重視時代の先駆けに初飛行から1週間目の11月11日,パンアメリカン航空(PA)のB-747 SPが,無着陸でニューヨーク/東京間1万1,146キロ(大圏コース)を13時間33分で結び,従来の飛行時間を3時間以上短縮,“ ニューヨーク/東京特急便"が実現した(就航は76年4月)。ニューヨーク/東京ノンストップ便は,B-747 SPの完成により実現可能と個人客吸収を狙い導入されたジャンボSPレ世界観光機関(WTO)発足(1月)レ「国際航空運送秩序確立委員会」設立(5月)レローマでパス横転事故。日本人25人死傷(7月)レ近畿日本ツーリスト,東証。大証二部に上場(7月)レ「日台航空路再開民間協定」調印〈7月)>日本アジア航空が東京/台北線運航開始(9月)レ新太平洋特別運賃発効。パルク運賃廃止, 3シーズン制導入(10月)ゴ22.‐ ,一・・・ ‐ 、1,:撻1111いうヨL拿:ケ1澤顕癬`■「|:1_ ==`‐、111:sぷ曲■■■■懸F鶴糎響・)・|1燿重大