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概要

20_1964-1983

暗いニュースに明け暮れた前年に比べ67年は一転, 日本の翼が世界一周路線に就航するなど,明るい話題が目立つた。鉄のカーテンといわれたシベリアに空路が開かれ,グアムが海外ハネムーンの格好のデスティネーションとして登場,大平洋では前年に引き続きIT運賃が再び引下げられるなど,大量輸送時代の幕開きがかすかに聞こえ始めた。この年,国連は「国際観光年」として観光旅行を讃えた。|1航,世界一周線開始4月にはシベリア空路も1967年3月6日12時30分, 日本航空世界・周線第1便の几461「志摩号」は小雨の中を香港に向け出発した。以後,パンコク, ニューデリー,テヘラン, カイロ, ローマ,パリを経て, 3月7日午前10時30分(現地時間)ロンドン着,そして, 日本の定期航空路として初の大西洋横断を果たしてニューヨーク着, さらにサンフランシスコ, ホノルルを経て3月9日21時,東京に帰着。念願の世界一周線を完成した。一方,東回り第1使のJL 2便も3月7日午前10時出発, 3月10日14時35分東京着で世界一月を果たした。日本の航空会社による世界一周線の運航は, 日航のみならず日本の旅行業界の期待を集めたものではあるが,大西洋路線における競合は激しく,採算面では苦境を強いられることになる。路線開設の背景としては,1960年,当時の岸信介首相訪米に端を発し,65年,66年の日米航空交渉を経て7年目に日の目を見た路線であったが,その後就航後5年で休航する短命のルートとなってしまった。世界―‐周路線の実現まで7年を要したのに対して, 一方のハイライトとなった東京/モスクワを結ぶシベリア空路の開設には,合計9年を要するというそれ以●昭和イ2‐年Lの難産であった。67年4月18日, 日本航空,アエロフロート・ソ連航空共同運航によるツポレフTU-114型機が東京国際空港(羽田)に到着。これによリモスクワ/東京8,000キロを11時間で飛び,史L空前のシベリア上空通過の民間航空路線が開発された(1970年に東京/モスクワ線に日航がIE-8を投入,11主運航を開始した)。この画期的路線開発により,その後欧州系各社は相次いでシベリア路線に乗入れを開始しており,新ルートの開設としては,世界‐周線開設よりも実質的なものとなった。世界一周線が多分にステイタス・シンボル的な意味合いを持っていたのに対し, まさに対照的である。“香港まで`はOK"招待旅行公11(委の10万円景品規制4月6日,公正取引委員会は招待旅行に関する公聴会を開いた。趣旨は,家庭用品の流通段階における行き過ぎた招待旅行などが,いたずらに販売・流通コストを増大させ,消費者価格を割高にする恐れがあるとするもので,「不当景品類及び不当表示防止法に基づき,度を超した景品類の提供について考慮すべきである」とする公取委の指摘を審議した。これに先立ち,公取委は招待旅行に関するアンケート調査を実施。その結果,招待旅行の件数。人員ともに年々増加の傾向があり,旅行先別に見ても,年々内容が派手になっていると結論づけている。‐方,I」際観光振興の立場から,運輸省観光局の中島英雄業務課長,JATA代表。兼松学日本交通公社常務が海外旅行の現状を説明。また,池上尚久JATA副会長(藤田トラベル・サービス副社長),朝木普男東京航空サービス副社長などが旅行業界の立場から「国際観光促進L,マイナス規制」と自由発言を行なったが,公取委告示案に17公述人中15人が賛成, もしくは条件付き賛成をした。この後,審議が繰り返された結果, 6月1日以降, 1業者年間1人当たり10万円以上の景品授与は禁止され,招待旅行市場販促への枷がかけられた。業界内では,10万円の限度額について「香港までの公取規制1と評された。この公取規制で最も重要視されたのは,海外旅行の分野に関しても「消費者の利益の保護」という観点から,招待旅行の規制が論じられたことだった。このことは逆にいえば,それまで一部特権階級に限られていた海外旅行がすでに大衆化の過程に入りつつあることを,奇しくも物語るケースとなった。国際観光年とIUOTO総会運輸省観光局は部に降格国連は,1966年11月4[1の第21回総会で,67年を国際観光年(Intcrnational早ぐ6海外旅行大衆化の兆じ|国際観光年のミス・ツーリズム選出TOurism Year)に指定,「観光は平和ヘのパスポート」のスローガンのもとに多彩な行事を展開することを採択した。日本でも国際観光年記念行事協力会を設置, 8月511に記念シンポジウム,25日にミス・ツーリズム選出などを行なったが, この期間を通して最大の行事は,各国政府レベルの観光担当者によって構成されている官設観光機関国際同盟(lUOTO=現WTO)第20回総会の開催である。同総会は10月3~ 11日,東京・レ「国際観光年」スタート(1月)>太平洋航空運賃値下げ,団体運賃の季節制限廃止(1月)レロ本航空が世界一周便開設(3月)>ヨ~ロノパIT運賃実施(4月)レ公正取引委員会が,報奨旅行を1年1回10万円までに規制(6月)>免税基準簡素化と簡易税率表を採用(6月)レUOTO総会,東京で開催(10月)>ハーグ議定書発効,航空事故賠償限度額α)0万円に(11月)旅行業界重大ニュースIθび鰺「| ・′/月プ▽プ′′、 `/y・:イ誓)=ノ曇■ 饂_二島