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概要

191104_PUG

見通しだ。GVB は16年から旅行会社や航空会社にチャーターの実施を後押しする各種支援策を開始。以降、告知やPRを続けてきた。これが定着し、19年に花開いた形だ。定期便も通年で前年を10.9%上回る72万2015席と予測。チャーター便を合わせると87万4504席まで回復する見通しで、13万8231席もの増加に相当する。 これに連動して、19年に入ってからの日本人旅行者数は順調に推移している。伸び率は1月40.6%、2月25.2%、3月18.4%、4月19.5%、5月14.0%、6月14.8%、7月19.8%で、1~7月の累計でも前年同期比21.9%増の36万8613人となっている。 グアムへの日本人需要の拡大を見据え、航空会社の供給拡大の意欲も継続している。ユナイテッド航空(UA)は10月28日から中部/グアム線を増便しダブルデイリー体制とするのに加え、関西/グアム線でも12月~来年3月まで3便を増やし週10便に増やす。今夏に来日したGVB 理事会のソニー・アダ会長は、「旅行会社のサポートを受け、このところの訪問者減少を再度増加させることができた」と関係者に感謝を述べた。 旅行者数の増加だけでなく消費額の増大も期待される。近年、グアムでは高級ホテルの開業や既存ホテルのリノベーションによるグレードアップが進む。航空会社もグアム路線に最新のビジネスクラスを備えた機材を投入するなど、グアムの高級化路線を後押し。GVBでは「ワンランク上のグアム旅行」のプロモーションを展開しており、消費単価の高いシニア層や、まとまった人数で来島するためグループ当たりの消費額が大きくなるファミリー層、あるいは挙式参列者を含むウエディング需要の取り込みを強化。旅行会社もラグジュアリーの商品化を進め、ビジネスクラス利用商品の拡充を図ったりしている。 グアムのグレードアップは旅行者側も望んでいる。GVB が18年にグアムを訪問した旅行者を対象に実施した調査によると、グアム旅行の予算はここ数年上昇しており、旅行グループごとの予算額は15年の約1475ドルから18年には約2272ドルまで増えている。1人当たりの予算額も同様に、15年の約731ドルが18年には約971ドルとなった。 グアムでの過ごし方も、よりゆったりと現地での消費を楽しむ傾向があり、あらかじめ支払い済みの費用のうち、宿泊施設の予算だけを取り上げると15年の約716ドルに対し、18年は約820ドルだった。現地到着後に支払った消費内容を見ても、ホテル内の飲食消費額は12年以降右肩上がりで、12年の33.1ドルが18年には60.6ドルと8割も伸びている。オプショナルツアーやアクティビティーについては右肩下がりで推移してきたが、16年の64.8ドルで底を打ち、17年83.7ドル、18年92.4ドルと反転している。 事前に支払った予算と現地での消費を合わせたグアム旅行全体を通じた消費額(1人当たり)も15年以降伸びており、15年の約1174ドルが18年には約1499ドルと3割近く増えている。これらのデータが示すように、グアム旅行は量的にも質的にも向上していく方向にある。この方向性が変わることなく、かつてのような日本市場の盛り上がりが実現することは、旅行業界共通の期待である。量とともに質向上へ020040060080010001200(千人)020040060080010001200■訪問者 ■座席数 (千席)15 16 17 18 19(年)7731079995873736875746620 563369020406080100020406080100(千人) (千席)1 2 3 4 5 6 7(月)58 59734842 414868 62684850 4811141813961350■訪問者■座席数(チャーター)■座席数(定期便)■日本人訪問者と航空座席数■19年の月別訪問者と座席数推移※19年は訪問者が1~7月実績、座席数が9月時点の年間予測値資料:GVB写真提供:グアム政府観光局パワーアップガイド 2019 冬 11