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山田静が選ぶ『おすすめベスト5』 22年間の感謝を込めて

2025年3月28日 8:00 AM

 03年4月14日号掲載「『フィガロ』vs『クレア』旅行業界の味方はどっち?」が、私の「週刊トラベルジャーナル」デビュー記事。タイトルを変えつつ、まさか本連載が20年あまり続くとは当時想像もしていなかった。

 だが、物事にはいつかは終わりが来る。最終回では、いままでご紹介した中で、個人的に何度も読み返した本、おすすめしたい本を再掲しよう。

1.  サービス業の初心に戻してくれる『リッツ・カールトン 最高の組織をゼロからつくる方法』
 名ホテル創業者が語るサービスや組織づくりの極意。この背中を追える宿屋でありたいと、何度も再読している。

2.人間関係で凹みまくった時『嫌われる勇気』
 アドラー心理学を対話形式で解説するベストセラー。会社や家庭、ご近所の関係で悩んだら即効性のある一冊だ。

3.  世界情勢を映す名作コミック『進撃の巨人』
 民族問題、人種差別、戦争の正義。形としてはバトル漫画だが、時代をリアルに感じる展開に胸が熱くなる。

4. ロードノベルの大傑作『パイド・パイパー 自由への越境』
 偶然出会った子供たちを連れ戦火のフランスから脱出を試みる英国老紳士。旅心も刺激され、泣けて勇気が湧く。

5. 旅行業界を支えた業界誌の雄『トラベルジャーナル』
 ちょっとわざとらしいが(笑)、やっぱり触れたい。フルカラーの週刊誌という体裁で、ニュースのみならず特集やデータ分析、識者の意見で業界の動向を俯瞰できる貴重な存在だった。何より、自身がたくさんの経験をさせていただいたホームグラウンドだった。

 お読みいただいてきた皆さま、編集部の皆さん、あらためて心より感謝申し上げます。旅の力を信じて。またお会いできます日を楽しみに。

山田静●女子旅を元気にしたいと1999年に結成した「ひとり旅活性化委員会」主宰。旅の編集者・ライターとして、『決定版女ひとり旅読本』『女子バンコク』(双葉社)など企画編集多数。最新刊に『旅の賢人たちがつくった 女子ひとり海外旅行最強ナビ』(辰巳出版)。京都の小さな旅館「京町家 楽遊 堀川五条」「京町家 楽遊 仏光寺東町」の運営も担当。