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交通空白解消へ支援事業を公募 国交省、緊急対策や人材育成に補助金

2025年3月17日 12:00 AM

 国土交通省は全国で地域住民や観光客の足を確保するため、「交通空白」となっている地域の解消に向けたプロジェクトを推し進めている。その一環として、緊急対策、共創モデル実証運行、モビリティ人材育成の3つの支援事業を25年度から始める。すでに公募を開始し、4月中または5月上旬までに採択事業を決定する。

 交通空白とは、鉄道やバスはもとよりタクシーやライドシェアも利用できない状態。緊急対策事業では、解消に向けたサービスを実施する仕組みづくりを支援する。例えばライドシェアやAIデマンド交通、乗合タクシーなどの導入に当たり、検討段階から地域の合意形成まで支援する。

 対象は地方自治体、交通事業者、NPO、観光協会など。補助金は、事業実施に向けたデータ収集・分析、車両の導入、実証事業に要する費用などに充てる。補助率は500万円までは定額、500万円を超える部分は3分の2(上限は1億円)となる。

 共創モデル実証運行事業は、交通を地域のくらしと一体として捉え、複数の関係者が連携して取り組むもの。医療、宅配、移住、観光まちづくりなど他の分野と交通の連携を期待する。交通事業者を含む複数の主体で構成される協議会が対象で、事業の立ち上げや実証運行に関する経費などを補助する。

 モビリティ人材育成事業では、地域公共交通計画の策定やアップデートに広く取り組む人材の育成を支援する。自治体の職員には多くの知見やスキルが必要とされる一方で、交通関係部署の人員が少なく異動周期の問題もある。関係者の合意形成を図りながら取り組みを主導するコーディネーター等の確保が効果的とされ、経費を上限3000万円まで補助する。