郵船クルーズ、2隻体制でクルーズ市場拡大へ ディズニーは「良い入り口」

2025.03.03 00:00

船首部分に設置されるグランドスパ

 郵船クルーズは34年ぶりの新造船「飛鳥Ⅲ」の7月就航に向け、母港の横浜市内で会見し、詳細を明らかにした。現在運行中の飛鳥Ⅱと2隻体制で運航する。テーマクルーズなど提案型の飛鳥Ⅱに対し、飛鳥Ⅲでは乗客が過ごし方を自由に選べるクルーズをコンセプトとし、市場の間口を広げる。 日本のクルーズ市場は若年化が進み40歳未満に広がっており、今後数年で大幅に増加すると見る。一方、23年のクルーズ人口は19年比45%減。飛鳥Ⅲの就航で市場拡大を推進したい考え。

 同社にとって2隻体制は初めて。新規市場の開拓が重要と見ており、遠藤弘之代表取締役社長は「クルーズを旅や余暇の選択肢の1つにしてもらうことが大事」とする。若い世代を意識し、無料Wi-Fiなどデジタル化に対応。訪日客にも期待を寄せ、英語対応を充実させる。船内施設で売りの1つは船首に設置されるグランドスパ。

 日本郵船グループは、オリエンタルランドがディズニーのブランドで28年度の就航を目指すクルーズ事業で船舶・運航管理やコンサルティングを担う。市場拡大には幼少期の体験が重要とし、「ディズニーは素晴らしいエントリー」(遠藤社長)と見ている。

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