パスポート保有率、17%台から脱せず 発行数は8.8%増 若年層けん引

2025.03.03 00:00

 外務省の旅券統計によると、24年に国内で発行された一般旅券は370万111冊だった。3年連続の増加だが、前年比8.8%増と、2年連続の3桁増から1桁台に伸び幅は落ち着いた。冊数は直近では16年に最も近いが、同年の出国者数は1711万人。24年は1300万人にとどまっており、渡航需要回復の遅れは明らかだ。

 年末時点の有効旅券数は2077万3843冊で、日本人の人口1億2037万人(24年9月確定値)に占める旅券保有率は17.3%となった。20年21.8%、21年19.2%、22年17.1%、23年17.0%と減少の一途をたどっていた状況からはわずかに上昇に転じた。ただ、保有率の上昇を手放しでは喜べず、人口が0.7%(90万人)減少したことに別の危機感の目を向けるべきかもしれない。

 性別の発行数では、女性が204万2698冊で8.7%増、男性は165万7413冊で8.9%増。実数は女性のほうが39万冊ほど多いが、伸び率では男性が女性をわずかながら上回った。男女比は44.8%対55.2%と、23年と変わっていない。

 年代別では23年に引き続き、若年層の取得増加が目立つ。伸び率のトップは19歳以下の14.3%増で2桁の伸び。これに続くのが20代の9.1%増、80歳以上の8.5%増などとなった。

 増加冊数のトップは19歳以下女性の5万5992冊、次いで19歳以下男性の5万3151冊、20代男性の4万8241冊、20代女性の2万8105冊と、やはり若年層の増加が目立っている。

 都道府県別の伸び率でトップは宮崎の26.5%増、次いで青森24.6%増、鳥取24.5%増、富山24.3%増と僅差。冊数でトップの東京は72万1683冊で1.9%増、2位神奈川は36万2409冊で4.0%増、3位大阪は32万6643冊で10.2%増となった。

【あわせて読みたい】日本人のパスポート保有率、23年は横ばいの17% 再取得の予想に反し 女性の取得割合増加