日本遺産で初の認定取り消し 福岡県の「西の都」 点数評価で辛酸
2025.02.17 00:00

文化庁は日本遺産の24年度における認定見直しの結果、大宰府など福岡県の「古代日本の『西の都』」の認定を取り消した。一方で、北海道小樽市の「北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽」を新たに認定した。日本遺産は15年の制度創設からこれまでに104件が認定されたが、取り消しはこれが初めて。
日本遺産とは、地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーを認定するもの。その魅力発信や日本遺産を通じた地域活性化に対して、国は補助金などで支援する。
一方、ブランド力の維持へ認定件数は100件程度を堅持する。すでに認定を受けている地域が活発な取り組みを続けることと、新たなストーリー・地域の参入による事業全体の活性化を図るため、24年度から点数評価で入れ替えを行う仕組みを導入した。その最初のケースとして、21年度に条件付き認定となっていた4件と新規候補1件の計5件が審査対象となった。
結果は、「古代日本の『西の都』」は5件の中で最低点の厳しい評価。中心的な構成文化財である太宰府天満宮と九州国立博物館の訪問者は多いものの、「他の構成文化財等への周遊につながっていない」ことや「住民からの認知度が依然として低い」ことなどが大きな課題として指摘された。
認定取り消しにより候補地域に格下げされたが、26年度以降なら日本遺産としての認定をあらためて申請できる。他の認定地域または候補地域との点数評価で高得点が得られれば再認定される。福岡県の文化財保護課は「大変残念な結果だが、今後については何も決まっていない。文化庁や関係自治体等で構成する協議会の場で話し合って検討する」などとしている。
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