6%・1万9910円の賃上げ要求 サービス連合、人材確保競争で正念場

2025.01.27 00:00

会見で方針を示す櫻田会長

 サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)は25年春闘で、昨年の5%をさらに上回る6%・1万9910円の賃上げ要求を掲げた。昨年の春闘では、賃上げで過去最高水準の改善率・額を実現する大きな成果を得られたが、その流れを継続していけるか、他産業との格差を縮め人材確保競争に勝ち抜けるかという点で正念場と位置付けている。

 改善率だけでなく、具体的な金額を示したのも昨年の春闘との違い。産業格差もあるなか、率を掲げるだけでは目標が明確に見えないとの考え方によるものだ。金額は、昨年10月に発表された地域別法定最低賃金の改定や、2~3%の物価上昇が見込まれることに加え、生活向上分と定期昇給分を加味して割り出した。一時金は、年収水準の向上を目指して4.0カ月を目標に取り組む。

 冬季一時金の要求を中心に据えた24年秋闘の結果、春闘での合意済み等を含めて12月16日までに合意・妥結した80組合(集計可能分のみ)の一時金支給額は、単純平均で1.57カ月となり、前年同期をさらに0.02カ月上回った。19年冬期比では0.17カ月増。

 このうちホテル・レジャー48組合の平均は1.47カ月(23年冬期比0.1カ月増)となった。国内旅行の復興やインバウンドの完全復活などによる好調な業績から前年の支給額を上回った。旅行業を示すツーリズム24組合の平均は1.51カ月(0.12カ月減)。BPO 事業における特需が減ったことなどで、前年の支給水準には至らなかった。

 夏・冬を合わせた年間一時金でも、ホテル・レジャー48組合は2.81カ月で前年を0.41カ月上回ったのに対し、ツーリズム24組合は3.24カ月で前年を0.42カ月下回った。

 櫻田あすか会長は会見で、「働きたい、働き続けたいと思える魅力ある産業の実現に向けて取り組む」と語った。

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