訪日旅行の目標、地方2泊は道半ば 客数・消費額は1年前倒し達成も
2025.01.27 00:00

24年の訪日外国人旅行者はコロナ禍前の19年より500万人多い3687万人となり、政府が25年までの観光立国推進基本計画で掲げた「19年水準超え」を1年早く達成した。訪日旅行消費額は8兆1395億円で19年を69.1%上回り、旅行者数とともに過去最高を記録した。一方、基本計画のインバウンド分野で目標をまだ達成していないのが、1人当たりの地方部宿泊数だ。最終年度の25年度は地方への誘客をより強化することとなる。
基本計画では、25年までに地方での外国人宿泊数を2泊にすることを掲げている。宿泊旅行統計調査に基づくと、19年の1.35泊に対し、24年は10月時点で1.48泊。前進しているとはいえ緩やかな伸びで、目標はまだ遠い。
滞在先は偏在傾向が顕著になっている。24年10月の延べ宿泊者数のうち3大都市圏は全体の68.8%を占め、19年同月から5.4ポイント拡大した。1人当たり宿泊数でも3大都市圏は24年10月が3.28泊で、19年同月の2.60泊から大きく上昇。地方部との差は歴然だ。
市場ごとの動きが分かるインバウンド消費動向調査によると、観光・レジャー客の平均泊数は主要20市場中17市場が19年比プラス。この流れをどう地方に向かわせるかだ。
国土交通省の調べでは、24年冬期スケジュールの地方空港への国際線定期旅客便は期初時点で週610便となり、19年の99%まで回復した。韓国線が押し上げている側面はあるが、地方に旅行しやすい環境は戻りつつある。
観光庁の秡川直也長官は1月15日の定例会見で、「地方に足を運ぶ方は増えていると思うが、もっと長く滞在していただくことや消費してもらうことを促進していけるよう、さらに取り組む必要がある」と述べた。
関連キーワード
カテゴリ#インバウンド#新着記事
キーワード#インバウンド#新着記事
キーワード#観光庁#新着記事
アクセスランキング
Ranking