海外旅行市場、若年女性がけん引 25年の実施意向トップ 国内旅行でも顕著

2025.01.20 00:00

 JTBは25年の旅行動向見通しで、海外旅行市場を1410万人と推計した。前年を8.5%上回るが、過去最高の2008万人を記録した19年に比べると29.7%減と大きく及ばない。ただ、性・年齢別に見ると、29歳以下の女性層の旅行予定率が抜きん出て高く、市場をけん引する構図が見て取れる。停滞気味の国内旅行でも需要は旺盛で、市場回復の鍵を握ることになりそうだ。

 全国の約3000人を対象にしたアンケートによると、昨年1年間に1泊以上の海外旅行を実施した人の割合は合計で8.7%となった。性・年齢別で最も高かったのは男性29歳以下(17.1%)だが、女性29歳以下(14.6%)がこれに続く結果となった。

 今年1年間の意向では女性の躍進が目立つ。海外旅行に行く予定と答えた人は全体で21.1%。昨年の実施率が8.7%であったことと比べて大幅に増加しており、女性29歳以下(34.3%)がトップ。これに次ぐ男性29歳以下(27.5%)を大きく引き離した。

 現時点で考えている行き先は、複数回答で韓国(30.4%)が最も高く、次いで台湾(26.4%)と近隣の国・地域が高い。ただ、韓国は女性29歳以下(52.1 %)、台湾は男性40代(39.2 %)と女性50代(39.3%)、ヨーロッパは女性70代(30.9%)に人気があるなど、世代による違いが見られる。

 国内旅行でも若年女性層の積極的な動きが目立つ。昨年1年間に1泊以上の国内旅行をした人の割合は60.5%。女性29歳以下(80.7%)が最も高く、これに女性30代(72.1%)が続いた。

 今年の国内旅行市場は前年比2.7%増の3億500万人(19年比4.7%増)と推計されるなか、女性29歳以下の旅行実施意向は86.5%、女性30代が81.2%と存在感を示している。

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