AI浸透で観光産業に3つの変革 企業関係管理でパーソナル化 流通は直取引に
2024.12.02 00:00
EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)は、生成AI(人工知能)がツーリズム産業にもたらす影響についてレポートを発表した。その中で今後起こりうる3つの変革として、顧客情報収集、旅行者とサプライヤーとのビジネスモデルの転換、今後求められる新たな人材を挙げた。
AIの市場規模は世界中で加速度的に伸びており、ツーリズム産業では主に顧客対応のパーソナル化、業務の自動化(効率化)、コミュニケーションの深化(顧客満足度の向上)などの領域で浸透が進む。しかし、AIはそれだけでは万能ではなく、データの量と質が重要な鍵になるという。
旅行者個人の趣味・嗜好に合った提案を行うパーソナル化を掘り下げるには、従来のように旅行の予約やそれに関連して得られたデータだけでは不十分。そのため、これまでのCRM(顧客管理)とは真逆に、顧客から自主的に趣味・嗜好に関するデータを提供してもらい、それを基にサービスを提案していくVRM(企業関係管理)の考え方が進むのではないかと見る。
ビジネスモデルについては、これまで相対的に弱い立場にあったサプライヤーがAIによって力を取り戻し、産業構造が劇的に変化する可能性があるとする。サプライヤーが旅行会社に在庫を提供して送客を待つという仲介の構図から、AIのマッチングプラットフォームを介して旅行者とサプライヤーが直接つながり、商品の提案・購入ができるようになると予測した。
また、生成AIの時代には、データを解釈し活用する能力を持つ人材が求められると指摘する。分析はAIに任せて、分析結果をどう捉えるか、データを読み解く力こそ、人材育成の重要なポイントになるとしている。
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