旅行者のマナー啓発、初の全国一斉開催 ツーリストシップが発信を強化

2024.11.18 00:00

池袋の旅先クイズ会では中学生のボランティアも運営に参加。左から3人目が田中代表

 旅先を大切にする旅行者の心構えを提唱する一般社団法人ツーリストシップは11月9日、全国8カ所でマナー啓発イベントを同時開催した。旅先クイズ会と称するイベントは、観光地に仮設ブースを設置し、旅行者にクイズを通して地域の特性や配慮の仕方を知ってもらうもの。一斉開催は初の試みで、計約1500人が参加した。

 北海道知床、東京都豊島区・墨田区、京都府嵯峨嵐山・二条城、奈良県、廿日市市、由布市で行われ、自治体や観光協会、ホテルなど観光関連企業が参画した。ツーリストシップの田中千恵子代表理事は「これまでは個別に実施していたが、一斉に行うことで発信の姿勢を示すことができる」と話す。参画団体から運営費10万円を募るが、由布市が新たに手を挙げるなど、想定より多くの協力が得られたという。

 近くを通る旅行者に声をかけ、楽しく発信するスタイル。出題内容は地域の特徴や課題に応じて違えている。例えば、豊島区では需要分散化の要素を加えた。会場となった池袋東口観光案内所は4月からJTBコミュニケーションデザインが運営を受託し、観光案内機能を強化している。堀内裕介所長は「カウンターの内から外に出て発信するスタイルを取っている。その意味でもこのイベントは重要」という。

 京都の二条城では訪れた外国人客が興味を示し、自らブースに立ち寄る姿も多く見られた。

 ツーリストシップはスポーツマンシップから着想を得た造語で、いわばその観光版。23年1月に始めた旅先クイズ会はこれまで北海道から沖縄まで15地域で開催し、延べ約1万5000人が参加した。田中代表は「ポスター掲出に比べ行動変容が大きい」と手応えを得ている。

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