「吟味なく拒否」に是正要請 JATA、ツアーオペレーター協会の取引適正化要望受け

2024.11.18 00:00

 JATA(日本旅行業協会)は、OTOA(日本海外ツアーオペレーター協会)から長年の懸案として求められている仕入れ手配代金支払いの早期化に関し、会員旅行会社に適切な対応を要請した。OTOAが10月下旬にJATAへ提出した要望に対する措置。OTOAはツアーオペレーターへのデポジットとキャンセルチャージ等の前払いを望むと同時に、旅行会社が依頼内容を吟味することなく拒否する実態があるとし、対応を求めていた。JATAは特にこの点を問題視した格好。

 OTOAは主要旅行会社の代表者に支払い早期化を直接求めるなど、働きかけを強めてきた。その後の状況を把握する目的で6~8月にアンケートを行ったところ、前払いや支払いターム短縮などに進展があった。ただ、約3割は実態が改善されていないと答えた。

 また、手続きが面倒などの理由で拒否されたり、同じ会社でも部署や担当者によって対応に差があることが報告された。JATAは、これが下請法抵触や独占禁止法の優越的地位の濫用に当たる蓋然性が高い事態になり得るとし、現場の担当者に至るまでの周知徹底、管理体制の確認、問題がある場合は直ちに是正措置を講ずることを、会員に要請した。

 この対応について、OTOAは「踏み込んだ対応を取っていただくことができた」とし、この機を逃さず交渉に取り組むよう、会員各社に呼びかけた。

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