デジタルIDで完結の旅「現実に移行」 IATA、成田/香港線で実証に成功

2024.11.11 00:00

 IATA(国際航空運送協会)は、デジタルIDですべて完結する空の旅を成田/香港線で試み、実証に成功したと発表した。昨秋に初めてロンドン/ローマ間で実施した概念実証で、今回は10月21~22日、東京と香港を往復する2人の乗客が異なるデジタルウオレットと旅行認証情報を使用して実施。キャセイパシフィック航空、香港国際空港、成田国際空港会社、NECなどが協力した。

 IATAによると、旅行者はデジタルパスポート、企業ID、フリークエントフライヤー資格情報の入ったデジタルウオレットを使用し、パーソナライズされた航空券の購入、フライト予約、ビザの取得、旅行書類の確認、チェックイン、搭乗券の受け取りを行った。生体認証を使用したため、旅行書類を繰り返し提示する作業も省かれた。

 成功に伴い、IATAは「完全なデジタル旅行は理論から実証済みの現実へと移行した。現在の課題はすべての旅行者に提供すること」だとする。楽観視する背景として、搭乗券や顔データなどをひも付けた「OneID」が導入されていることに言及。加えて、欧州連合(EU)が27年までに市民と居住者にデジタルIDウオレットを発行する計画であることも理由に挙げた。

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