アジアの中高所得層、旅行を優先 収入の23%を支出へ 日本は人気上位
2024.11.11 00:00
エクスペディアが実施したアジアのマス富裕層(中高所得層)4000人を対象にした旅行に関する調査で、81%がインフレにもかかわらず、旅行は依然として他の支出よりも優先事項だと答えた。行き先は近隣にとどまらず、より遠方の海外にも強い関心を示し、日本も人気の旅行先上位に挙がった。
アジアの中間層は急成長が見込まれ、世界経済フォーラムは30年までに35億人と予測する。調査は旅行需要獲得へマーケティングの鍵を探る目的。中国、インド、インドネシア、シンガポール、ベトナムの5カ国で各800人から聞いた。
それによると、マス富裕層はこれまでと同様にぜいたくな体験を重視しており、44%が航空券のアップグレード(ラウンジの利用、食事・飲み物など)、42%が客室と宿泊施設のアップグレードを求めると回答した。と同時に、プロモーションや割引、パッケージを活用することで、インフレの影響を抑える方法を模索している。
費用は今後1年で収入の23%を旅行に充てる予定と回答。人気の旅行先には、日本のほか、米国、カナダ、フランス、韓国、豪州、ドイツなどが挙がった。次の旅行は平均的に10日以上をかけて4都市を訪れる予定が多い。日数はインド人が平均14日間、ベトナム人は8日間で最も短い。
エクスペディアは、旅行関連企業は旅行者に豪華な施設やサービスを強調しながら、インフレの影響を軽減するようなプロモーションを検討することが重要と指摘する。また、旅行者の多くが、現地の交通機関や食事の作法など慣習に不安を感じ、34%は自国語を話すスタッフがいるホテルに宿泊するため追加支出の意向を示す。これらのニーズに応えるサービスが企業の競争優位性につながるとしている。
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