宿泊業の離職率、依然高水準 産業別ワースト続く コロナ禍の影響も
2024.11.04 00:00
厚生労働省のまとめによると、21年3月に大学や高校を卒業して入社した新卒社員の就職後3年以内の離職率は、宿泊業・飲食サービス業が依然として50%を超える高率となり、産業別でワーストの状態が続いている。全産業平均と大きな開きがあるのに加えて、前年との比較でも悪化が目立つ。ただし、新型コロナウイルスの感染拡大が続いていた時期だけに、業務の先行きを懸念するなど、特に影響を大きく受けたとも考えられる。
調査は、事業所からハローワークに提出された雇用保険の加入届から算出。大卒の場合、生まれが1999年4月1日以前で、2021年3~6月の新規学卒による雇用保険加入者のうち、24年3月までに離職した人を割り出した。
大卒・高卒のいずれも、離職率が高い産業の1位と2位は前年と変わらず。1位は宿泊業・飲食サービス業で大卒56.6%・高卒65.1%、2位は生活関連サービス業・娯楽業で同53.7%・61.0%だった。3位は教育・学習支援業で46.6%と53.1%。大卒は前年と同じだが、高卒は前年の小売業から順位が入れ替わっている。
全産業平均の大卒は34.9%で前年比2.6ポイント増、高卒は38.4%で1.4ポイント増。これに対して宿泊業・飲食サービス業は大卒で5.2ポイント増、高卒で2.5ポイント増、生活関連サービス業・娯楽業は大卒で5.7ポイント増、高卒で4.0ポイント増となり、この産業の悪化が全体の中で際立つ。平均より離職率が低い産業は、大卒・高卒とも電気・ガス・熱供給・水道業や金融業・保険業などだった。
事業所の規模別では、小さいほど離職率が高い傾向が続く。5人未満は大卒で59.1%、高卒では62.5%が3年以内に退社している。
カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
キーワード#ホテル・旅館#新着記事
週刊トラベルジャーナル最新号
アクセスランキング
Ranking
-
城崎温泉街をWHILLで移動 高齢化に対応 でこぼこ道も観光しやすく
-
COP初、観光業の気候対策宣言で歴史的節目 課題は行動 日本の出遅れ感指摘する声も
-
JTBの中間期、増収減益 非旅行事業の減少響く
-
交通空白地解消へ官民連携基盤 自治体・交通事業者と支援企業をマッチング
-
リゾートトラストと三菱商事、医療観光で合弁事業を検討
-
廃校へ行こう! 地域の思いが詰まった空間へ
-
新千歳も外国人入国者プラスに 主要空港の8月実績 韓国けん引
-
AI浸透で観光産業に3つの変革 企業関係管理でパーソナル化 流通は直取引に
-
沖縄県の宿泊税、都道府県で初の定率制に 26年度から2%で導入へ
-
福島・浪江で町の未来考える謎解き企画 異彩作家と連携