アップルワールド、統合効果で顧客拡大に意欲 商材の選択肢増え

2024.11.04 00:00

合併に伴いコーポレートアイデンティティーとロゴを刷新

 海外ホテル手配の老舗として知られるアップルワールドは、国際航空券予約・発券代行事業などを手掛けるティ・エス・ディ(TSD)の吸収合併を機に、顧客企業の拡大を図る。両社は人材・不動産サービスなどを展開するじげんの子会社。10月1日付で合併し、それぞれのサービスとITを組み合わせて旅行手配をよりスムーズに行える体制を構築した。「売上収益100億円超の主力事業の創出」を掲げるじげんのグループ戦略の一翼を担う。

 ニーズに応じたサービスの組み合わせや使い分けなど、多様な提案がしやすくなった。一例がホテル予約のアップルワールドとRikisha(リキシャ)。アップルは学会時の宿の手配や見積もりなど複雑な業務を代行するのに対し、リキシャは簡易な予約手配が特徴。2社の顧客は計約2100社だが重複せず、アップルほどのサービスが不要な企業にはリキシャを提案して顧客を開拓できる。

 アップルワールドは18年にじげん傘下入り。松原知恵子執行役員経営企画室室長は「マルチベンダーを強みとした単なる旅行会社だったが、ITが組み合わさって視野が広がり、展開スピードが早くなった。旅するユーザーと顧客企業の支援を担うというミッションが明確になった」と語る。

 空港送迎など予約・手配のデジタル化が進んでいない領域で、仕入れ先の状況を鑑み伴走しながら環境を整備する。海外旅行が主力だが、国内強化やその先の訪日旅行も視野に入れている。

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