政府系銀行、民泊事業に参入 都内で物件購入 マツリに運営委託
2024.10.28 00:00

政府系金融機関の日本政策投資銀行(DBJ)と子会社のDBJアセットマネジメントは、マツリテクノロジーズと協働し、都市型民泊の運営に特化した不動産ファンドを設立した。マツリテクノロジーズは、スマートフォンを使った無人チェックインなどができるデジタル技術による民泊運営が強み。ファンドを活用した都市型民泊の供給拡大により、訪日客の増大や多様化する宿泊需要の受け皿とする狙いがある。国内の銀行では初の取り組みとなる。
すでに都内で5軒のマンションを購入した。このうち民泊として活用できる空室をマツリテクノロジーズに貸し出し運営を委託する。最終的には5軒で120室程度が民泊施設になると見通す。DBJの出資は現時点で約30億円。物件や資金の状況などを見ながら追加での購入も検討し、物件規模で最大100億円程度に拡大させたい考えだ。事業展開の対象エリアは今のところ都内を想定している。
訪日客増加の勢いは続く。一方、建設費・地価の高騰や宿泊業での慢性的な人手不足などから、宿泊施設の供給に陰りが生じる可能性が懸念されている。このため、30年までに訪日客を6000万人に増やす政府目標の実現の一助として、都市型民泊の増加が期待されていると見る。
マツリテクノロジーズは、独自に開発したデジタル技術によるソリューション「StayX」を活用して民泊を運営するのが特徴。これによりインターネットでの集客やリアルタイムでの在庫管理、価格調整、AI(人工知能)を用いた清掃員管理などが無人で効率的に行えるという。DBJは民泊として不動産を運営するのは初めてとなることから、業界の先端を行くマツリテクノロジーズと組んだとしている。
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