2024年10月14日 12:00 AM
地銀2行が地元観光地へ顧客を送り合う試みが軌道に乗りつつあるようだ。りそなホールディングス傘下で兵庫県が地盤のみなと銀行と、ひろぎんホールディングス子会社でまちづくり事業などを広島で行うひろぎんエリアデザインの相互誘客プロジェクト。昨年に開始し、2年目の今年は愛媛県の伊予銀行が新たに加わった。瀬戸内エリアを2泊3日で巡るツアーを展開する。
各金融機関グループの顧客に地元の旅行会社を通じてツアーを販売する。ツアー造成に当たっては、地元の訪問先を提案し合う仕組み。来年開催の大阪・関西万博後を見据え、誘致を狙う欧米豪市場に人気の高い瀬戸内エリアに旅行先を広げようと、みなと銀行から伊予銀行に参画を求めた。伊予銀行は今回コンテンツの面で参画した。
ツアーは、神姫バスが4月に投入した水戸岡鋭治氏デザインの特別仕様バス「YUI PRIMA OLIVIA」を使い、1人20万円を超える高額商品。ポイントは、各行がこれから育てていきたい地場産業などにスポットを当てたことだ。
例えば、みなと銀行が顧客に販売するツアーでは、デニム生地のトップブランドとして世界に知られる広島県福山市のカイハラデニムの工場を見学し、愛媛県大洲市のNIPPONIA HOTELに宿泊する。大洲は伊予銀行が古民家を活用したまちづくりを支援する地域だ。
ひろぎんグループの顧客に販売する商品では、SDGsや新スポットを要素に盛り込み、淡路島ワイナリーでの昼食や、地産地消にこだわった料理を楽しめるホテルニューアワジプラザ淡路島への宿泊などを盛り込んだ。
ツアーはすでに募集人数の2倍となる30人超を集客し、催行が決定した。集客規模は昨年を上回り、提携に手応えを得ている。
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