観光庁、候補DMO制度を廃止へ 登録要件厳格化で 25年4月にガイドライン
2024.10.07 00:00

観光庁は観光地域づくり法人(DMO)の登録制度に関し、予備軍の「候補DMO」を廃止する方針だ。更新に際しては新たに「留保DMO」の枠組みを導入する。DMOの機能強化に関する有識者会議が開催した第5回会合で考えを示した。来年4月にガイドラインの改正を予定している。
観光庁は今年1月に有識者会議を立ち上げ、DMOの要件見直しなどについて議論してきた。観光地づくりの司令塔として果たすべき役割が高まるなか、機能や役割をより明確にする目的で、新規登録と更新の要件をいずれも厳しくする。ヒアリングの導入など審査期間を十分に確保することで、審査レベルも向上させる。
これに先駆けて昨年、新規登録に当たり、すべての要件を満たせば直ちに登録DMOになれるようにしたところ、候補DMOの段階を経ずに登録に至るDMOが増えた。「候補DMOは制度の役割を終えた」(観光地域振興課)と捉え、26年10月で終了する。
新規登録の要件引き上げでは、中長期のビジョンとして4~5年間の観光地経営戦略の策定を義務付ける。これまで求めてきたターゲット設定やKPI(重要業績評価指標)に加え、KGI(経営目標達成指標)の設定も要件とする。一方でCMOの専従者は不要にする。来年10月から適用される見通し。
更新登録の際にはKPIの成果を評価に加える。更新できなかったDMOについては1年に限り、留保DMOとして再チャレンジを可能とする。
登録区分に合わせた違いも設ける。例えば広域連携DMOには大規模災害時の風評被害対策を必須とする。また県単位と複数市町村では役割が異なるため、地域の実態を踏まえつつ検討し、ガイドラインに反映していく。
【あわせて読みたい】2024年3月18日号>DMO制度のこれから 課題多き地域の司令塔づくり DMOの機能強化へ登録要件見直し 3~5年の経営戦略やKGI 観光庁有識者会議で方針 要件満たせば即時に登録DMOへ 観光庁が運用見直し 候補DMO経ずとも
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