山梨県、富士登山規制に成果 静岡県も来夏導入意向

2024.09.23 00:00

 山梨県は今シーズンから富士山吉田口ルートで入場料の徴収など登山規制を実施したところ、登山道の混雑緩や弾丸登山の防止に一定の成果が得られたと分析した。登山規制は全国で初。ただし、登山ゲートを閉門間際に通過し、山小屋に宿泊せずに山頂を目指す駆け込み登山や、軽装登山などが今後の課題として浮き彫りになった。

 規制は7月1日~9月10日に行い、入山料2000円を徴収(別途任意で保全協力金1000円)。3時開場・16時閉鎖のゲートを置き、山小屋予約者を除き登山者数を1日4000人に制限した。結果、登山者数が上限を超えた日はなかった。シーズン中の登山者は約12万5000人で昨年より18%減、夜間は約700人で95%も減少した。

 昨年に見られた外国人登山者の登山道での仮眠や山小屋前での滞留など迷惑行為は、大使館への協力要請なども行い、ほとんど確認されなくなった。地元関係者からは夜間の登山道が静かになった、山小屋の前に不法投棄されるごみが減少したといった声が多数寄せられたという。

 一方で、まだ登山規制を行っていない静岡県との統一的な規制の実施が求められている。これに関し、静岡県の鈴木康友知事は9月10日の定例会見で、通行時間規制や入山料徴収などを来夏から導入したい考えを示した。