クラツー、直販で訪日客獲得に本腰 得意のテーマ旅行に勝算 混載式で効果も
2024.09.23 00:00

クラブツーリズムは自社のウェブサイトを多言語化し、訪日客が直接予約できる環境を整えた。これまではOTA(オンライン旅行会社)を介してツアーを販売していたが、直販に乗り出し、市場獲得を推し進める。訪日事業は地域創生事業と並び、KNT-CTグループが26年度までの中期経営計画の主軸に据える。クラツーが得意とするテーマ旅行は訪日リピーターに受け入れられると勝算を弾いており、サイトを英語・中国語対応にして需要を摘み取る。
全世界から参加できる日本国内旅行専用ツアー「YOKOSO JAPAN TOUR」として、日帰りから宿泊プランまで常時数千コースを用意した。ツアー掲載本数は従来の100本から年間で1万件以上に増える。これまでは日帰りツアーが売れ筋だったが、テーマで掘り下げた旅などを提案していく。
クラツーは外国人のみに特化したツアーを設定せず、既存の日本人向けツアーに外国人を混載する形態を取ってきた。混載式は催行率の向上につながり、バスの運行や仕入れに寄与する。何より日本人と外国人の交流を生む利点がある。この方針は今後も変わらない。ツアー中は添乗員やドライバーが翻訳アプリを活用して行程や集合時間などを伝える。
OTA経由では台湾・香港を対象に提供してきたが、今後は他のアジアや欧米豪に広げる。OTAの顧客基盤だけに依存せず、広告やSNSなどを通じた自社サイトの周知で集客に結び付ける。
KNT-CTグループの23年度訪日旅行取扱額は254億円。コロナ禍前の18年度を9.5%上回る。今年度は他OTA経由や近畿日本ツーリストのサイトでの訪日個人旅行予約が堅調に推移しており、クラツーの直販化が押し上げると期待している。
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