HIS、コンテナホテルに出資 株式20%取得 地方への誘客拡大

2024.09.09 00:00

7月に開業した「HOTEL R9 The Yard那須塩原」。地方でコンテナホテルの需要は高い

 エイチ・アイ・エス(HIS)は、コンテナホテルなどを全国に展開するデベロップの発行済株式20.2%を取得し、持分法適用子会社化した。資本業務提携を締結し、HISグループのネットワークを生かし、これまでホテルがなかった場所や不足していた場所へ開発や出店を加速させる。地域の課題解決と持続可能な観光地づくりに寄与することを目指す。

 デベロップは、可動式で柔軟な需要規模に対応できるコンテナ型のホテルを主軸に、全国25県96施設(8月現在)でホテル事業を展開する。1台1客室の独立構造であるコンテナホテルは、条件・用途に応じたカスタマイズができ、移動が可能な特性がある。災害時に被災地へ駆けつけるレスキューホテルとしての需要も高く、近年、地方での開業が加速度的に進んでいた。

 提携では、コンパクトで柔軟に対応できる利点を生かす。特定地域に需要が集中するオーバーツーリズムや地方の宿泊施設不足に対応できると見て、地域の誘客などを推進する。

 HISが成長に期待を寄せるデベロップの主力ブランド「HOTEL R9 The Yard」は、郊外やロードサイドなどを中心に出店。工期が短く建設コストが安価で、ビル型のホテルを建てられるほどの広さがない土地にも展開できる。HISでは、出店エリアやターゲット層が自社のホテル事業とは異なるため、新しい層への接点が持てると見ている。

 販売面での相乗効果ももくろむ。これまでデベロップのホテルの販路は、旅行会社経由ではなく国内宿泊サイトがメインだった。今後はHISからの送客やデベロップによる新たな宿泊施設の開発により販売力が強化されることで、観光地のさらなる活性化が期待できると考えている。

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