「成長はリスクを取ってこそ」 カブクスタイル砂田CEO、HafHで第2ステージへ
2024.09.09 00:00
定額制の旅行サービス「HafH(ハフ)」を運営するカブクスタイルが第2の成長期に入った。ホテルベッズなど複数の大手ベッドバンクと連携して客室供給を増強し、創業5年で10万人に膨らんだ会員のニーズと、価格変動が激しい仕入れの変化に対応する。新規会員募集をあえて4カ月中断し、体制を整えて8月に再始動した。
ベッドバンクとの連携で、掲載施設を現在の2500軒からまず半年で約1万軒に増やす。海外では特に予約確定に時間を要する場合があったが、システム接続を行い、すべての掲載施設で即時予約が可能になった。
コロナ禍後に直面したのが価格変動の影響だ。ハフは月額を独自のコイン数に変換し、旅行の度に必要数を使うのが基本形。だが、価格変動幅が大きく、週末などの予約が難しい局面が生じていた。そこで通常とは異なるコイン数を適用する「調整コイン制度」を導入し、定額制を維持しつつ高需要日でも予約できるようにする。
もう1つの試みは、旅の体験を投稿すると報酬にコインを受け取れる「トラベルストーリー」。砂田憲治CEOは「普通の旅行者がスモールインフルエンサーとなり、新たに旅行する人を生むような、世界にないビジネスモデルをつくりたい」と話す。広告宣伝にコストを割かず、その分を顧客に還元する。
急成長の鍵はビジネスモデルにある。価格変動と需要を予測し、予約キャンセルの損失も加味し、独自の購買体系に仕立てて提供する。「われわれは価格変動リスクを取ってビジネスを行う中間業者。商品を右から左へ流すだけで利益を乗せる中間業者とは違う」(同)。評価は日本航空との提携に象徴される。
100万人市場が視野に入る。5年くらいでの達成を目指している。
【あわせて読みたい】2022年11月7日号>旅のサブスク3年の評価 成功と失敗の分岐点 旅のサブスク3年の評価 成功と失敗の分岐点 カブクスタイル、第1種旅行業取得で海外サブスク本格化 移動含む定額制MaaSに進化へ
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