訪日客、過去最速で2000万人到達 2カ月連続の単月記録 中国トップに返り咲き

2024.09.02 00:00

 日本政府観光局(JNTO)によると、訪日外国人旅行者数は7月までの累計で2106万9900人となり、過去最速で2000万人を突破した。これまでの記録だった19年8月を1カ月前倒しでの達成となった。円安を背景に市場の勢いは止まらない。7月は329万2500人で、前年同月比41.9%増、19年同月比でも10.1%増。6月の313万6000人を上回り、2カ月連続で単月の最高記録を更新した。

 7月は東南アジアや欧州など、学校の休暇で訪日需要の高まりが見られた市場が前月から大きく拡大した。中でも中国はコロナ禍後で初めて市場別のトップに返り咲き、回復傾向が著しい。77万6500人で前年同月比147.8%増となり、伸び率は主要23カ国・地域の中で唯一の2倍以上。19年同月比ではまだ26.1%下回っているとはいえ、2位の韓国を約1万8800人上回った。

 日本への直行便数も回復が進んでいる。7月は上海/鹿児島線の復便、深圳/成田線や上海/福岡線の増便など、中国路線の動きが目立った。クルーズ船も那覇港、博多港、佐世保港などに寄港した。

 23市場のうち19市場で7月の最高人数を記録し、そのうち香港とメキシコは単月での過去最高となった。中国のほか、東アジアでは台湾(57万1700人/前年同月比35.4%増・19年同月比24.5%増)、東南アジアではフィリピン(5万5500人/7.3%増・46.9%増)、ロングホールでは米国(25万1200人/26.3%増・60.1%増)などで訪日客数が増加し、全体を押し上げた。

 年間では3400万~3500万人の到達が見込まれている。過去最高だった19年の3188万人を大幅に上回る見通しで、25年の政府目標を1年前倒しで達成することになる。