観光庁、災害情報発信を改善へ 南海トラフ臨時情報で訪日客に届きづらく

2024.09.02 00:00

 政府が8月8日に初めて発表した南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)に関し、訪日外国人への伝え方に課題が見られたことから、観光庁は改善に取り組む。秡川直也長官が早期の改善を指示した。

 観光庁が監修し、災害時に使える情報提供アプリ「Safety tips(セーフティチップス)」を15言語で提供している。しかし、南海トラフ地震臨時情報は適切な形で発信されず、訪日外国人から「情報がない」など困惑する声がSNSなどで散見された。

 情報は掲載していたものの、ホーム画面からすぐにたどり着けるような対象類型に位置付けられていなかった。秡川長官は8月21日の定例会見で「最初の画面で見て分かり、クリックするとすぐにたどり着くようなやり方が必要」と話し、改善に取り組む。

 観光庁の調べによると、臨時情報が8月16日に終了するまでの間、主要な観光案内所や日本政府観光局(JNTO)のコールセンターには、鉄道の運休に関する問い合わせなどはあったが、特段の混乱は見られなかった。海外旅行会社への聞き取りでは、東アジアで旅行のキャンセルが若干あったものの、今後懸念される影響は出ていないという。