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ラーケーションの活用に広がり 大阪府立高校がキャリア教育で採用

2024年8月26日 12:00 AM

 ラーケーションの導入に踏み切る自治体が増えつつあるなか、その活用方法についても独自の工夫や広がりが見られるようになってきた。学び(ラーニング)と休暇(バケーション)を組み合わせたラーケーションは、子供が保護者との校外学習等を目的に平日に学校を休める制度として23年9月から愛知県と大分県別府市でスタートし、他の自治体が追随するが、大阪府立佐野工科高校は独自の運用でキャリア教育の一環としての取り組みを開始した。

 佐野工版ラーケーションは年1回、最大10日間まで利用できる。連続取得が可能なため、土・日曜・祝日などを絡めればさらに長い期間を休むことができる。例えば冬休みと組み合わせて最大24日間連続も可能だ。

 学校側が期待する活動内容は、短期海外留学、旅行、長期企業研修、リゾートバイト、ボランティア、地域活動、資格取得など。保護者の了解は必要だが、同行は求めていない。生徒が主体的に計画し、行動することで学びの機会を創造する時間を取ることを眼目に掲げている。これまでのワーケーションの枠組みを超えた新たな取り組みだ。

 従来型での自治体の導入も広がる。昨年は2自治体のみだったが、今年4月には県単位では茨城県のほか、山口県が年3日間まで平日の学校を休める「家族でやま学の日」を開始。熊本県も「くまなびの日」の試行を始めた。

 こういった動きに旅行業界も期待を示す。JATA(日本旅行業協会)は展開中の「平日に泊まろう!」キャンペーンで、自治体のラーケーションや休み方改革と連動した休暇取得促進のムーブメントを醸成したい考え。ラーケーションの先駆けとなった愛知県でも、宿泊・観光施設が平日旅行に特典を提供する取り組みが進んでいる。