日本発航空座席数、24年夏期は114万席 TJ調査 18年冬期レベルに
2024.08.19 08:00

新型コロナの水際対策終了と5類感染症への移行から1年がたち、日本発国際定期便の運航は順調に回復の一途をたどっている。旺盛な訪日旅行需要を追い風に、提供座席数は18年冬期と同等レベルまで戻った。
トラベルジャーナルが6月初旬を対象期間として実施した24年夏期航空座席調査で、1週間当たりの日本発国際線定期旅客便による提供座席数は、前年同期比34.8%増の114万5689席と順調に回復した。直近の23年冬期調査時から約13万席増えて、コロナ禍前の18年冬期(114万6036席)と同等レベルまで戻ったことになる。過去最高だった19年夏期まで、あと10万席に迫っている。不穏な国際情勢に加えて、国内の航空業界では地上スタッフの人手不足や航空燃料不足といった新たな課題も抱えるが、提供座席数はこの後も堅調な増加が期待される。

運航会社は95社となった。23年夏期比で8社増、23年冬期比で3社増だが、一時運休していた会社の運航再開によるもので、新顔はない。23年冬期調査時と比べて運航再開は北京首都航空(JD)、エルアル・イスラエル航空(LY)、オーストリア航空(OS)、ウエストジェット(WS)、ジェットスター・アジア航空(3K)の5社。運休はバンブーエアウェイズ(QH)とエアカラン(SB)の2社。このうちSBはニューカレドニアの治安情勢悪化により、一度は運航を再開したものの需要が戻らず、9月からの日本路線運休を決めた。
ローコストキャリア(LCC)は25社で35万4194席。前年同期比4社増、座席数36.3%増で、19年夏期の33万5194席を上回る過去最高を記録した。シェアは30.9%で、過去最高だった23年冬期の31.0%並みの水準を保っている。

路線別で1位は不動のアジア線だが、2位には79.3%増と急速に数字を伸ばした中国線が3位からランクアップ。代わって韓国線は僅差ながら3位に後退した。4位太平洋線、5位欧州線は23年冬期と変わらない。
空港別で1位は引き続き成田だが、これまで3位だった関西が大きく伸びて2位に浮上、羽田は僅差ながら3位に後退した。このほか3万席以上の空港では中部、新千歳、那覇が大きく伸びるなど地方空港を中心に動きが活発。23年冬期に比べると新たに青森、大分に加え、下地島では4年3カ月ぶりに定期便の乗り入れが再開され、空港数は合計で30空港となった。
航空会社別では23年冬期に引き続き全日空(NH)が1位、日本航空(JL)が2位。以下5位までは韓国勢が占めた。なかでもジンエアーは座席数を大きく伸ばして、23年冬期の9位から躍進した。6位にはチャイナエアライン(CI)が8位から順位を上げた。7位チェジュ航空(7C)、8位キャセイパシフィック航空(CX)、10位エバー航空(BR)はいずれも順位を下げた。9位に入ったのは中国東方航空(MU)。座席数が前年同期より大幅に増えて、19年冬期以来のトップ10圏内への返り咲き。一方でユナイテッド航空(UA)は11位と、トップ10圏内からは姿を消した。
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