DXで観光の金の流れを可視化 奈良県のDMOや地銀らが産業共同体

2024.08.05 00:00

 奈良県ビジターズビューロー、三菱総合研究所、南都銀行は、コンソーシアムとして「なら観光DXPF」実装チームを立ち上げた。地域の観光事業者、DMO、地銀が一体となって県内の観光関連の金の流れを見える化し、持続可能な観光地経営を担う産業共同体づくりに取り組む。

 観光庁の「観光DXによる地域経済活性化に関する先進的な観光地の創出に向けた実証事業」に応募し、採択された。奈良県は、日帰り客の比率が高く宿泊を伴う滞在型観光につながっておらず、観光消費単価が低いことが課題になっている。解消に向けた施策の一環。

 奈良県ビジターズビューローが管理・運営する既存のシステムを「なら観光DXPF」として、機能を強化する。地域の観光に関連するサービス・商品の予約、決済、仕入れ、投融資までの流れが分かるようにするため、データを来年1月末までに集約する。

 三菱総研は、予約から調達情報までを連接し、地域のポテンシャルや事業者の地域貢献度を活用した投融資評価スキームを開発する。南都銀行は、子会社で地域活性化事業を手掛ける奈良みらいデザインなどと連携し、地域事業者の参画を支援する。

 なら観光DXPFに参画する事業者を募集しており、奈良県ビジターズビューローは意識醸成や、システムを提供するツーリズムエクスチェンジジャパン(TXJ)と連携したプロモーションを行う。

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