旅行・宿泊業の新会社1500社超 コロナ禍から反転で急増 TSR調べ

2024.07.29 00:00

 東京商工リサーチ(TSR)の調査によると、国内旅行や訪日旅行需要が追い風となって、旅行業と宿泊業の法人設立が急増している。23年に両業種で新たに設立された法人は前年比59.0%増の1560社で、前年の981社から大幅に増加した。コロナ禍前の19年の1621社には届かなかったが、4年ぶりに1500社を超えた。直近10年間では2番目に多く、コロナ禍を経て観光産業に活況が戻ってきたことを反映する動きを見せている。

 旅行業の新設法人は520社で、前年の273社から約2倍(90.4%増)に急増。19年の477社を上回り、直近10年間では過去最多を更新した。宿泊業は1040社(46.8%増)と大幅に増え、19年の1144社には届かなかったが、4年ぶりに1000社台に乗せた。

 地区別で旅行業は関東が250社(構成比48.0%)で最も多く、約半数を占めた。次いで近畿117社(22.5%)が続き、九州64社(12.3%)、北海道と中部が各30社(5.7%)、東北9社、中国8社、四国7社、北陸5社の順。人口が多い都市圏に設立が集中したほか、観光客に人気の高い北海道や沖縄などは国内外の観光客向けにアクティビティーなどを手掛ける会社の設立が見られた。

 宿泊業の新設法人は関東が435社(41.8 %)で最多。次いで近畿205社(19.7%)、九州127社(12.2%)、中部107社(10.2%)、北海道55社、東北36社、中国33社、四国27社、北陸15社の順。大都市圏以外では、外国人観光客に人気の高いスノーリゾートの北海道や長野県での新設が多い。TSRはこれに関し、観光庁が20年度からスノーリゾート形成促進事業として、国際競争力が高いスノーリゾート形成に取り組む地域を支援していることも背景にあると見ている。

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