ドイツ観光局、開局50周年で需要喚起強化 日本市場は緩やかな回復

2024.07.19 14:48

左端が西山支局長。レセプションには駐日大使を始め多くの旅行関係者が来場

 ドイツ観光局は日本市場の回復を促すため、高所得者やリピーター層に焦点を当て、旅行会社を通じた需要喚起を行う。日本支局開局50周年を迎え、先ごろ開催した記念レセプションで西山晃アジア地区統括局長兼日本支局長が方針を示した。

 23年の訪ドイツ日本人旅行者は19年比52%。24年は「60~70%の回復で、70%回復すれば御の字」(同)と見る。アジアでは中国が19年比80%まで回復しているのに対し、日本は緩やかだ。その理由として、ドイツ国内のインフレと円安の影響による旅費の高騰、ウクライナ情勢による飛行時間の増加、日独間直行便が19年比70%程度の回復にとどまっていることなどを挙げた。

 ただ、日本市場の中でも個人旅行は回復が進んでいるという。さらに回復を促すため、旅行商品にインセンティブの提供や、旅行会社向けの商談会や視察ツアーを展開する。一般消費者向けには近年注力しているSNSでのマーケティングを中心に行い、中間層の関心を高める。

 ドイツ観光局は70年代から日本でプロモーションを行った「ロマンチック街道」の成功などで知られる。レセプションでは、近年人気のクリスマスマーケットなど、それまで大都市中心だった欧州旅行に新たな商品造成をもたらした先駆的な活動が紹介された。

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