再訪したい国1位も地方誘客に課題 ジャパンブランド調査 認知度低く情報不足

2024.07.15 00:00

 電通が世界15カ国・地域の20~59歳の約7500人を対象に実施したジャパンブランド調査で、日本は観光で再訪したい国・地域の1位(34.6%)となった。2位のシンガポール(14.7%)に19.9ポイント差、3位の米国(13.0%)とは21.6ポイント差と飛び抜けた人気の高さを示した。ただ、日本が観光政策で重点を置く地方誘客に関して、認知度の低さをはじめ課題がくっきりと出た。

 日本に期待することの上位に、多彩なグルメ(28.6%)、他国と異なる独自の文化(27.9%)他国にない自然景観(25.8%)が挙がった。訪日観光の最大の理由は「前回日本を訪れて楽しめたので、また行きたいと思ったから」(50.0%)。半数がリピーターとして訪日観光を楽しんでいる。円安の影響は地域によってばらつきがあり、円安が続いているうちに行くべきだと思ったとする東アジア(44.1%)の割合は、他地域に比べ約20ポイント高い。

 関心事で、お金を払って最も体験・利用したいのは、庶民的な和食レストラン(41.4%)。次いで農泊体験(40.0%)、新幹線(37.3%)の順。一部の国・地域では日本独自のコンビニ食品や日本製のスナック菓子なども支持され、多様な興味・関心が示された。

 地方観光の課題は認知度の低さだ。都道府県別の認知度は、1位の東京を筆頭に過去8年の調査で9位まで顔ぶれに変化がない。阻害要因の上位3つは、言語によるコミュニケーションの不安、都会以外の地方観光地を知らないこと、アクティビティーに関する情報源の不足。訪日経験別に見ると、地方観光地を知らない訪日未経験層は29.6%、リピーター層でも26.0%を占めた。コミュニケーションの不安は未経験層が44.5%と顕著だった。