2024年2月19日 12:00 AM
ライドシェアの4月からの部分解禁について、国土交通省による制度案が示された。しかし、経済同友会はそれに先立ち政府に提出した意見書の中で、「応急措置にすぎず、ライドシェアとして位置付けられるものではない」と指摘。新法制定による全面解禁を求めた。政府が6月に策定する「経済財政運営と改革の基本方針」に24年度中の施行を目指すと明記し、秋の臨時国会での成立を要望している。
政府が4月から計画しているのは、タクシー事業者が運転手の安全教育や車両の整備などを担うことを条件に、地域や時間帯を限定したサービス提供だ。その効果を検証しつつ、タクシー事業者以外にも参入を認める本格解禁に関し、6月に向けて法制度の議論を進めることとしている。
これに対して経済同友会は、意見書に「なんちゃってライドシェアで終わらせないために」とのタイトルも付け、タクシー事業者が運送主体となる政府案は不十分で、さまざまな主体によるライドシェアの実現が利用者利便の向上や社会的課題の解決につながると指摘。参入規制は行わず営業区域も制限しない、需給調整のためのダイナミックプライシングの実現、雇用契約と業務委託契約の両方の働き方を認める、走行距離や台数の制限を行わないことが最低限必要だと指摘した。
ライドシェアの必要条件としては、アプリで配車依頼や行き先の指定などが可能で、運賃が事前に確定し支払いが完結できる、全国または広い範囲で同じアプリが利用できることなどを挙げた。現行ルールの活用拡大や法律の解釈変更など既存の枠組みの緩和だけでは、「ライドシェアと呼べるレベルの制度にはならない」とし、新法を制定すべきとしている。
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